SNS映えが引き起こしたキャンプ事故。小红书は今のままで良いのか
史上最も暑い夏と言われる中国の夏休み、あちこちでキャンプ事故があったことはご存知ですか?その事故を中国のインスタこと小红书(レッド)がトリガーとして引き起こしていると、レッドへ批判の嵐が起こっています。
最も注目を集めた事故は8月13日に四川省成都市の郊外にある龍門山で起きました。山の裏側の「龍漕溝」エリアで土砂災害があって、7人の観光客が亡くなりました。
Weiboでバズったこの事故。この「龍漕溝」は開発された観光地ではなくただの山の裏側。中国の言い方だと“野良観光地”です。
そして「今の季節は危ないよ」と複数の知らせや村民の説得もあったにもかかわらず、レッドやtiktokなどのインフルエンサーの偏った情報で客が殺到、結局最悪の事態になりました。
この場所はレッドでは下記のように書かれています↓
↑無料で人もそんなに多くない、景色もきれい、キャンプも写真撮影も最適
↑成都の郊外の隠れた聖地、この夏は絶対ココでしょう
人口数が多いから夏休みだとどこも子連れの人が多いイメージです。確かにレッドの情報を見る限り誰もいない写真が撮れるし、景色もいいですし、無料だし、成都から車で1時間くらいで最高のように見えます。
しかし実際はたくさんの警告看板が設置してある場所なのです。
↑命を大事に、絶対に川に入るな。細かい説明では「ここはレッドやtiktokなどで好評の場所だが、山に洪水があるときには重要な排水ルートとして使われ、非常に危険な場所です。真夏は洪水が多発していて、山の天気の変化も激しいので絶対に川に入らないでください」と書かれています。
↑山への道にも、現在地質災害2級警告で観光客立ち入り禁止の看板。
↑命を大事に、川に入るなと書かれてますが、本来封鎖されていた柵も破られました。
↑みんなが賑やかにキャンプをしていますが、林には赤い布で警告の知らせが書いてあります。
↑洪水が発生するから早く離れてくださいと呼びかけた地元の人もいました。
↑実際に説得する仕事に参加した人のコメントですが「ただ冷たく言い返された」と。言い返された内容は「溺死は暑さで死んじゃうよりまし」「俺が溺死してもお前と関係ないだろう」「うるさいよ税金泥棒」「ここで溺死するわけないだろう」「この水の浅さは大丈夫だろう」。。
↑洪水秒読みのときには川が既に濁っていて、早く離れてくださいと言われても無視され、麻雀を続ける姿が。ネット民からは「むしろ命を賭けた戦いだ」と皮肉が。
衝撃の一枚もありました。
↑逃げ遅れの父親が子供を守ってる動画。結局最後は父親だけ助けられて、お子さんが亡くなりました。
開発された観光地ではないから、ここの管理責任は行政部門です。7人も亡くなって、中国の管理規定ではあと3人で重大事故になるレベル。今回は管理責任者の不届きではないだろうと突っ込むネットユーザーも多かったです。
↑ 「言うこと聞かないし、事故ったら責任問われるし、現場のスタッフも大変です」
「こんなに警告と禁止が書かれたのに、10メートルごとに管理員1人つかないといけないの?」
「十分すぎるほど告知したから現場のスタッフを処罰しないでほしい」
↑7人が亡くなった事故の翌日に、またここでキャンプしようとする人がいました。これには大バッシング。
↑警告も柵も効かないから、最終的には人的に映えないようしました。
そして、ここからが本題ですが今回の批判の中心はレッドにも当たりました。以前から"レッド詐欺"といわれるインフルエンサーが無理やり素敵に見せることが問題となっていましたが、今回はそれがエスカレートして死亡者が出ていることでいよいよ深刻化してきました。
UGCの内容でアクセス稼ぎの目的で、映え見せして、地元の管理規定やリスクも無視しているのです。一部の書き込みでは、封鎖された場所に入る方法までも詳しく書かれました。
↑良識あるユーザーがレッドの告発機能で「成都は5月から増水期に入っててこの辺りは危険。川に近づくな、川に入るな、の警告看板があるはずです。この書き込みは当地政府の管理への妨害です。削除してください」とプラットフォームに告発しましたが、レッドの審査では、特にルール違反がないから処理しなかったこともわかりました。
この事態には批判が殺到。ただレッドの反応がいかにも責任逃れ感があって、さらに批判が。
公式な発表はないですが、取材によると対応を行なっていると。ただ、「UIで安全第一の表示を提示する」とかなんて、ただの責任回避にしか見えないですね。
今後どのようになっていくのか注目です。ボクも映え詐欺に騙されるので気をつけようと思います。
(参考資料)
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