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2021年の春節連休での中国の映画興行収入が78億元を突破

昨年はコロナ禍で絶不況だった映画市場ですが、今年は半端ない盛り上がりをみせています。

先週の木曜日に中国の旧暦春節の7連休が終わりましたが、春節期間は映画の話題でもちきりでした。

2020年の春節ではコロナで全国が自粛モード、映画館も営業中止になって興行収入は実質ゼロだったのに対して、その反発でか今年は78億元(1258億円)で、2019年の春節連休の59億元の3割超の成長を実現しました。

今年の正月初日に上映した作品は全7作品で全て国産映画ですが、なかには昨年の春節に上映予定で公開が一年遅れた「唐人街探案3」があります。

これは日本でも公開されますかね?秋葉原や渋谷が舞台で、日本でもお馴染みの妻夫木聡や三浦友和、鈴木保奈美、長澤まさみなども出演しています。一年待たされた作品とあって興行収入は良い調子でしたが、口コミ評価は中国の女性藝人が初監督した母親の物語に勝てず、興行収入は二位でした。

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↑一番右、中国で超有名な女性芸人が初監督した「絶対泣く」作品の「你好李煥英」がトップ

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↑2月22日夜10時現在の興行収入、一位も二位も興行収入40億元を超えてます。

そして今年の春節映画市場は作品やヒットだけが話題ではありません、それはチケットの高さです!

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以前のノートでは中国の流行語「チェリー自由」(食べたい時に食べたい量で購入できる)を紹介しましたね。

今年の連休では、「映画チケット自由」が話題になりました。例年だとビッグ都市や田舎も含めて平均すれば30〜40元で買えるチケットは、今年はなんと平均51.8元に。北京では100元を超えるところも普通にあります。そして入場率が高くて、見たい時間帯では満席だったり、端っこの席しか残ってなかったりしてます。

チケットはクソ高いが満席で買えないところも多いのです。その理由は2つ考えられます。

一つはコロナ感染防止の対策に影響されてます。今年は政府の「帰省せず春節を過ごしましょう」の呼びかけで、1億人以上が実家に戻らなかったとのこと。家族団欒でないお一人さんにとっては映画を見ることは重要な娯楽の一つとなります。しかも感染防止対策で入場率が75%、厳しいところ(例えば3月の「両会」に迎える北京)は50%までに要求されてますので、席の取り合いが激しくなります。

そしてもう一つは、昨年のコロナの影響で、破産寸前や借金まみれの映画館も多いことです。以前中国の映画の苦戦についてをnoteで紹介しました。コロナの感染をかなり抑えていた中国なのですが、それでも入場条件などが厳しく設定されていて、さまざまな工夫がなされていました。

映画産業は昨年は逆境のなか必死でした。「万达电影」「新文化」「宋城演艺」などの大手では10億元以上の純損失が予想され、悲惨な結果になっていることも話題になっていました。

最大手の「万达电影」(ワンダー映画)は年間営業利益が59-67億円と予想され、2019年の154.35億元と比較して大きく減少。

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それでも、大手上場の映画企業は中小やベンチャーよりはずっとマシで、比較すれば打つ手もたくさんあるとの状況だったので、いかに過酷な状況かがわかります。

興行収入以外に映画館の重要な収入源であるポップコーンなどの飲食品も、コロナの影響で販売が制限され明らかに収入が減っています。この機会に大幅値上げしたチケット代でひと儲けすることは大切かも。ぼくも映画産業のためを思って観に行ってます。

(参考資料)




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