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中国ネット文化の震源地BiliBili動画で今年人気の表現が発表されたよ。中国人とのチャットにぜひ使ってみてください
先日、中国の動画プラットフォームBiliBili動画の最近を紹介しました。
今日は↑の文章の後半にも書いたちょっとマニアックな話。ビリビリは2017年から「今年流行った弾幕」を発表するようになりました。
若者ユーザーの多いサイトなので、若者たちが流行ってるものが反映されます。ある意味で日本のJK流行語みたいなものです。そしていわゆるオタク文化から成長したサイトなので、日本カルチャーもたくさん反映されてます。
今日は今年ビリビリで大流行な弾幕を解説します。
↑ビリビリが発表した今年の弾幕で最も使われた弾幕です。「B站」はビリビリのあだ名、「B」はBilibiliのBで「站」はサイトの意味です。
今年一年間に、ビリビリのユーザーは合計14億回の弾幕を発信しました。そして見事に一位に輝いたのは「AWSL」で年間に3296443回も使われてます。(中国人とチャットするときに正しく使えたら尊敬されるかもしれません!)
「AWSL」は幸せやハッピー、興奮、激萌えなど強烈な感情が煽られて心に直撃した時に使われます。例えばパンダ好きの僕がこの動画を見たときに使えばいい↓
アニメ好きの君はここで↓
ビリビリだけではなく、Weiboとかでも幅広く使われてます。例えば好きな男性アイドルのイケメン写真を見たときにも。
AWSLの由来は、中国語の「啊我死了」(A wǒ sǐle)。中国語でピンイン入力して漢字を選ぶのですが、そのときにあまりにも興奮、動揺して漢字選ぶ前に思わずenterやspaceを押しちゃってそのまま送信完了ってのがあるあるです。そのときの頭文字が由来(入力ツールによっては頭文字だけで変換されるので)。
同じような入力ミスから誕生した表現はほかにも
「阿伟死了」(A Wei Si Le)阿伟(中国でよくある名前)が死んでしまった。
「阿伟酸了」(A Wei Suan Le)阿伟がヤキモチした。
「阿伟生了」(A Wei Sheng Le)阿伟が子供を産んだ。
「啊我瘦了」(A Wo Shou Le)あ、私やせた(いい夢)。
「啊我是驴」(A Wo Shi Lv)あ、私はロバです。
「救救阿伟」(発音は関係なく、忙しすぎる)阿伟を助けてください。
これらが感情の表現によく使われるネット用語に定着しました。
せっかくなので「今年の弾幕」に選ばれた他の表現も簡単に紹介します、けっこう面白いです。
「名场面」
翻訳いらない、「名場面」の意味です。ただ使う範囲が日本語より若干広い気がします。そしてこの三文字だけの並びは中国語の標準語ではあまり使わないから日本語から定着した外来語と言っても過言ではないです。WeiboやWechatでもよく使われてます。
「逮虾户」(Dai xia hu)
日本のアニメ頭文字Dの挿入歌「Déjà Vu」の空耳でスピード感のある場面でよく使われてます。
「泪目」
これも翻訳いらずですね。涙目のことです。日本でもネットやTwitterで良く使われてますね。
「妙啊」
訳すのむずい。出来事や解決法があまりにも意外ですが非常に納得できるってときに使います、「素晴らしい!」てのと近い。
「我可以」
私はいける!私は行っちゃう!なんですが、いろんな意味で使えます。褒め言葉で「何をしてあげても良いよ」ってニュアンスも。好きな人(の写真や動画などでも可)を見て叫びたい言葉。WeiboやWechatではオレンジ色の丸い可🉑もよく使われます(noteで表示できてるかな?)
「欢迎回家」
お帰りの意味です。中国は「ただいま」や「お帰り」のような帰宅時に決められた挨拶会話は特にありませんがこれも日本文化から。ビリビリの説明では「嫌われ松子の一生」から様々なシーンに使われるようになったそうです。
「注入灵魂」
魂注入。これも中国語の中で似たような言い方はあるが、選ばれる漢字から見ると、やはり日本語から定着してるでしょう。弾幕では最高潮に導く動きや行動のシーンによく使われます。
「正片开始」
「ここからが本番」て意味です。昔は一部の最初にCMのついてる動画に使われますが、だんだんは「待ってました!」「これから待望のxxx」を提示する意味になります。
「标准结局」
標準の結末との意味です。一連の流れで簡単に予想した結果や、まったく意外と思わない結末だって意味です。
いかがでしょうか、中国の若者がこの一年間よく弾幕に使われた言葉。けっこう日本から輸入されたものもあって面白かったです。中国若者、ネット民たちの会話についていくには知ってなきゃいけないですよ。中国語検定やHSKでは足りません、測定不能です。
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(参考資料)