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上司を許したかった

パワハラを受けてから約半年休職し現在に至るが、いまだに「相手を許せない気持ち」と「相手を許したい気持ち」の間で心がゆらゆら揺れ動いている。
言葉にできない、複雑な気持ちが交差して、自分の中の正義と正義がぶつかる。

一人でいるとき胸の中でぐるぐる「私が悪いのかあっちが悪いのか」…と思い悩む。

簡単に白黒つけられる問題ではないと思う反面、白黒つけたいとも思う。

今でも上司のことは許せていない。
自分の心の傷に触れる度、上司の顔が思い浮かぶ。
いつか、あと何十年かしたら許せるだろうか…それとももう顔も思い出せなくなるだろうか…。
それはときが経つまで誰にも分からない。

上司への怒りと憎しみが心のなかで込み上げるが、ふと、本当は上司を許したかった…そう思っている自分に気がつく。

望みが叶うなら、互いに許し、尊重しあい、平和な太陽の下のあたたかな道を一緒に歩みたかった。

でもそれは、叶わなかった。
人間は簡単ではないと、改めて思う。


私の好きな赤毛のアンシリーズ『アンの夢の家』に好きな一節があるので紹介する。
主人公のアンと友人のレスリーにジム船長がはなむけとして送った言葉だ。

今は難しいかもしれないが、この先に待っている幸福を信じ、愛と信頼を足元の灯火として1歩ずつ進んで行きたいと思う。

「あんたがたの未来を読むのに、火はいりませんわい。あんたがたみんなの幸福が見えますて(中略)、
だが、いいかな、苦労も心配も悲しみもくることでしょう。かならずくるものだでな 宮殿であれ、小さな夢の家であれ、どんな家でもそれをしめだすわけ にはいかなんだだがあんたがたが愛と信頼をとりそろえてうちむかえば、先方に勝ちをとられることはないです。
このふたつを羅針盤と水先案内にすればどんな嵐でもきりぬけられるですよ。」

訳/村岡 花子 · 作/モンゴメリ
シリーズ・赤毛のアン アンの夢の家(4)
ポプラ社


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