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内田百閒の「百鬼園随筆」を読んだ

6時起床。窓の外がどうなっているかな、と少し楽しみにしてカーテンを開けた。思ったよりも積もっていなかった。

薄明かりの雪が素敵

雪は降る
雪は降る

日中の雪景色よりも、早朝や日の沈むくらいの雪景色の方が、物悲しくてとても良い。
物悲しい感情は、幼い頃や遠い昔の思い出と結びつくことが多いのだろうか、友達と喧嘩をして1人で家に帰った時のことなどを思い出させる。
思い出したくないことが思い出されるので、本来ならば嫌なはずなのに、それでもなぜか物悲しい雰囲気の雪景色が好きなのはなぜか。

内田百閒

百鬼園随筆

百鬼園随筆である。
捻くれ者で辛辣なのに、涙もろくて情に厚い。
そんな相容れない性格が1人の人の中にあるものだというのがよく分かる随筆集である。

日記に飽きたことの言い訳で「済んだことに興なし」と書く。せっかく髭を整えても誰も気づかなくて剃り落とす。

かと思えば友人の位牌に手を合わせようと遺族を訪ねた時に、逆に残された家族に寂しい思いをさせてしまったと悔やんでしまう。

読みながら、内田百閒の繊細な優しさに涙が出そうになるのであった。