分析って何をするの?(🔰向け)
今回は分析についての話です。
ウェブサイトやモバイルアプリというプラットフォームでは多くの方がGoogle Analyticsを使われています。その他、Adobe Analyticsやその他のアクセス解析ツールを使用して日々データと触れ合っているかと思います。
そういう方に分析ツールの話をしても、「分析はもうやっているわ」となるでしょう。
このnoteでは分析で何ができるのか?をご紹介しながら方向性を合わせられたらと思います。「ここまでできるなら興味あるな」「自分は既にやっているから不要だな」など、行動分析ツールの可能性有無を感じて頂ければ幸いです。
はじめに
毎度ですが、読者の方のビジネスのゴールは様々あります。
売上、LTVのような業績に直結するものもあれば、ROAS、DAU/MAU、ARPU、リテンションやスティッキネス、ダウンロード数、顧客満足など業種ごとに様々な指標を持っているでしょう。
「ビジネスにデータはいらない」と言い切る人はもはやいないと思います。
このnoteで扱っているデジタル行動分析では、ウェブサイトやモバイルアプリなどのデジタルプラットフォームの訪問者の行動という事実を知ることができます。
それを活用することで訪問者のニーズを知り、ビジネスゴールを達成しやすくできます。
分析とは何か?
可視化やレポーティングは分析作業の一部であるということです。
例えば、2024年3月の分析をしたとしましょう。「訪問者数が前年同期比で90%の実績でした」という結果が出たとします。
これは事実ではありますが、この後何をしたら良いかは分かりません。
原因を正しく理解しなければ、正しい施策を得ることはできないのです。
分析は現状把握に留まらず、施策案を出すところまで支援できるものだと考えています。
具体的な分析アウトプットとは?
では、分析のアウトプットとして期待されるものは何でしょうか?
組織やプロジェクト、規模によって答えは様々だと思いますが、意思決定のし易さという点では5W2Hが含まれていると良いのではと思います。
先ほどの例で、「訪問者数が前年同期比で90%の実績でした」の場合を続けてみましょう。
調査した結果、特に既存顧客の訪問が下がっており、これが全体における課題と分かったとします。
では、これを改善するためのアウトプットはどのようなイメージになるでしょうか。
When: 2024年4月に向けたプロジェクト企画
Where: キャンペーンLPの開設とメールマーケティング
Who: 既存ユーザーで直近購入していないユーザーを対象
What: 新生活キャンペーン
Why: 既存顧客の訪問者数が前年同期比で10%下がっている
How:専用のLPを開設し、自社のMAからDMを配信
How much:組み込みに掛かるコストはxx円で、訪問者が増えたことのCVRからxx円の収益を目指す
書き方が簡素にはなってしまっている点はご了承ください。
このような感覚でデータを分析し改善案を具体化できれば、データを使わない(勘と経験)場合と比べて勝率が上がると感じて頂けるのではないかと思います。
一方で注意点です
これも重要ですが、行動分析ツールで出来ないところについても紹介させていただきます。
1. 外の動きはわからない
分析するデータは基本的にはその会社が持つシステム上のデータになります。ウェブサイト、モバイルアプリ上の訪問者行動が中心となり、外部連携をしても社内で既存システムが持っているデータです。
自社システムの外の動きが含まれていない点は注意が必要です。(※1)
例えば、競合他社が強力なキャンペーンを実施してトラフィックが落ちている、というような状況があると正しい結果が出ない可能性があります。
事実として理解をしつつ、別の仕組みを検討するかどうかの考慮が必要です。
2. 何をすれば良いか?までは出してくれない
よく、「改善案まで出してくれるの?」と聞かれることもあります。色々ツールは分かりましたが、改善案までを提示してくれるツールは存在しません。(※2)
具体的なインサイトに掘り起こした後の施策は自社の環境を含めて検討する必要があります。
これも多岐に渡ります。有料広告を出すのか、クリエイティブを変えるのか、新しい機能を追加するのか、MAや各種システムと連携するのか、UIを変えるのか、新しいツールを導入するのか、などインサイトによってはここで悩む場合もあるかと思います。
(施策を正しく検討できているということが悪ではないので、留意事項としてお許しください)
最後に
如何でしたか。
これを書くきっかけは「分析はやってるんだよね」と言いながら、実際にはレポートを見ているだけ、ということはよくあったなぁと思い出したためです。
訪問者の行動という事実を活用することでより詳しいことを知ることができます。
一方で、出来ないところについては皆様の取り組みの優先順位(行動分析ツールを導入するか否か)を決める要素にもなると思います。
可能性を感じて頂きながら読者の方の既存の取り組みと比較をする参考にして頂ければ嬉しいです。
補足
※1:URLパラメーターによる訪問元や参照元(リファラル)程度は知ることができます
※2:改善案まで出してくれるすごいツールがあれば教えてください
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