【雑記/紹介/応援】いざ妖精の住む福島文学へ#創作大賞感想
福島太郎という方をご存知でしょうか。
大量にkindle出版をされ、記事の最後には必ずと言っていいほど宣伝(または猫の写真)を挟んでこられる御仁。ガッツリ交流されていれば当然ご存知かと思いますが、袖振り合う程度のご縁の方に誤解の無きようお伝えしておきます。
Amazonからのロイヤリティを含む収益は、毎月記事にて報告し、全額をNPO法人へ寄付されています。
記事を見れば宣伝、会えば宣伝、口を開けば感想文依頼と、もうなんか圧がすごい笑 でもこの圧は、自らの懐を温めるわけでも猫のチュールのためでもない。地元のためだと知っていれば、「あれ、今日宣伝少なくない?」と逆に求めている自分に出会えます。
福島県の公務員として生きる福島さんは、地元を舞台にした作品を書かれています。先日の文学フリマで購入させていただいたこともあり「妖精奇譚」のご紹介です。
舞台は福島県の田舎、銀山町。平成3年の話です。
当時の日本はバブル経済ですが銀山町には何の恩恵もない。そこで町長が思いついた「妖精の住むふるさと」という町おこし事業を、町に縁のない新規採用の田中が担当することになります。
この、妖精で町おこしに至った理由がこちら
無茶苦茶やん、と思われますよね。でも恐らく企業・自治体などの組織に属したことがあれば、なんとなくわかります。この「何故これが通った?」みたいなやつ。偉い人の思いつきを誰も否定できず、下々が体裁を整えるやつ。失敗すれば下々の責任で、成功すれば偉い人の業績になるやつ。
でもこういう奇抜な話はこの流れでしか実現しないのです。下から上がれば当然潰される話なのです。面白がって乗ってみる、というのが実は最善策でもある。がんばれ田中。
そういえば、全世界で放映されている超人気作品アニメ「呪術廻戦」の七海建人の最後のシーン。美しい海辺を頭に思い浮かべて、「マレーシア……そうだな、マレーシア……クアンタンがいい。なんでもない海辺に家を建てよう」とつぶやいたシーンがありました。
これを見たマレーシアのパハン州は大歓喜。七海の記念碑を建てようという案が出ていました(実際建つのかは知りません)。
銀山町のノリは、これに近いと思います。
その他、田舎あるあるかもしれないエライへの根回し、その順番、飲み会(というか宿泊)がイコール会議の場といった、良くも悪くも日本らしいリアルを感じるお話。
ストーリーはもちろん、そういう空気感を感じるのもこのお話の良さだと思います。
福島文学は地元を題材にしたお話です。したがって、実際に存在します。
福島県金山町にある妖精美術館。