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【雑記/紹介/応援】骨皮筋衛門って結局ナニモノ?#創作大賞感想
創作大賞、盛り上がっていますね。私も予約投稿で1話ずつ上げている間に、フォローさせていただいている方々の作品を貪り読ませていただいておりました。今日からは続くところまで、読ませてもらったお話の一部を紹介をしていきます。
で、一番最初に見に行ったのが、これ。
よくご存知の方も、なんか聞いたことある方も、知らないけどどうせガリ痩せのじーさんでしょという方もいらっしゃるかと思います。
骨皮筋衛門は、はそやmさんが生み出したオリジナルキャラクター。毎週ショートショートnoteやシロクマ文芸部という、毎週出されるお題に沿って創作をするお遊びの中で活躍しています。
かく言う私もその2つに(サボりがちだけど)参戦しており、当初から彼の存在は知っていました。ですが、その2つ。参加者がすごく多いのですよ。1週間の間にそれぞれ50とか100作品とかアップされます。さすがに全部は読んでないけど、魅力的な作品が多く、時には神作品も生まれています。
中には同じキャラクター・舞台で描かれるお話もありますが、記憶力の無い鳥は「えっと、これ知ってるやつだけど、前どんなだったっけ?」となるのです。
で、件の骨皮筋衛門は、毎回強烈な印象を残すものの、いまいち私の中でイメージが確立されていなかったのです。なので、今回まとめてくださったことにまず感謝でした。
さて、ではまずどういうお話なのか。
~あらすじ~
単なる小太りな一般男性に見える骨皮筋衛門の正体は、すご腕潜入捜査官……。名前と正反対のふくよかボディが鋭く素早く宙を舞い、悪と闘います。華麗に繰り出される必殺技「ヒラリ・クルリ・プルン・ボスン」でなぎ倒された敵は数知れず、といわれる骨皮筋衛門が悪の組織をスカっと爽快に倒す物語です。頭脳明晰で老若男女に愛される令和のヒーローとして骨皮筋衛門はプッと笑える闘いを悪人相手に繰り広げます。1noterの仕事で疲れた頭から飛び出した奇妙なファンタジーの世界にあなたの脳は追いつけるでしょうか。華麗な潜入捜査で神出鬼没な骨皮筋衛門と間抜けな悪の組織が繰り広げる脱力必至のおかしな世界をご堪能ください。
おわかりいただけたでしょうか。はい、わかりませんね。大丈夫です。それで正常です。
でもこのあらすじは実はとても綺麗にまとまっています。本編を読めば、非常に優れたあらすじだとわかります。本編を300字でまとめようとするとこうなる、ということ。
気になる小太りの主人公について、もう少し引用してみましょう。
23代「骨皮筋衛門」は帳面町の平和を守るため帳面警察内にある秘密部署に所属し、彼にしか使えない秘技で悪の芽を早々に摘んでいる。帳面町における犯罪発生率が約0%というのも彼が千里眼的なセンスで帳面町の平和を守っていることが大きい。骨皮筋衛門は神出鬼没と言われ、スーパーの万引きから体育館裏のカツアゲまでを未然に防ぐ。こういった小さな犯罪を犯しかけた者は骨皮筋衛門の慈愛に満ちた眼差しと誠のこもった言葉に改心をし真っ当な人生を送る。
この奇妙な名前は襲名しているのです。しかも23代目。長くない? 徳川で15代っすよ。
さらには「帳面町における犯罪発生率が約0%」。検挙率ではありません。発生率です。万引きもカツアゲも未然に防ぐのです。万引きGメンもビックリなご活躍ぶりです。noteの街で暮らす私たちは知らず知らずのうちに骨皮筋衛門に守られている、というわけです。影のスーパーヒーローですね。
そして今回読ませていただき知った事実。すご腕潜入捜査官とは聞いていましたが、潜入風景がこれ。
「それはゆゆしき事態……」
そう呟くと骨皮筋衛門は腹をプルンとさせ潜入捜査に入った。
「キャー!筋衛門様が潜られた!」
署内の女性から黄色い声があがる。
「よし、僕も頑張るぞ」
部下は筋衛門への尊敬で眼を光り輝かせたまま外へと飛び出して行った。
「部下はドアから出るのね」
「当たり前でしょ」
先輩署員が何故か得意げな顔で後輩をたしなめた。
……え、ゴメン。潜入捜査って何だっけ? なんかその、物理的なヤツ? と、ツッコミながら楽しく拝見するのですが、少し客観的に考えてみると、これが小説の醍醐味でもあるのですよね。
例えばこれを漫画とか実写とか、絵にしようとすると潜入する様を描かないといけない。例えば影に吸い込まれていく筋衛門。足から行くのか頭から飛び込むのか、お腹のプルン具合など、色々考えないといけない。
でも文字なら、「筋衛門様が潜られた!」で潜れるのです。
そして最たるものが必殺技「ヒラリ・クルリ・プルン・ボスン」です。
「私が本当の骨皮筋衛門だ!」
との叫び声が響き、男がシュッと飛び上がる。ヒラリ・クルリ・プルン・ボスンの秘技に下っ端どもが次々と倒されていく。
何が起こっているのかはわかりません。わかりませんけど、下っ端どもが倒されています。
「無理だよお嬢さん……」
軽く飛びあがり優しく「ヒラリ・クルリ・プルン・ボスン」をお見舞いした。
「す……筋……衛門様……キュン♪」
フィッティーは秘技ではなく骨皮筋衛門の魅力にしてやられた。
何が起こっているのかマジでわかりません。わかりませんけど、魅力にやられている女性がいます。
文字の世界は書いたもん勝ちの世界。みなさまの頭の中で再現されるそれぞれの骨皮筋衛門とその秘技を、好き勝手に楽しむのです。
文学はリアリティとか生々しさとかを求めがちで、そこから脱線しないよう細心の注意を払って、情報収集をする方も多いかと思います。でも時には思いっきり文字の世界を楽しむのもよろしいのではないでしょうか。
マガジンにまとめてくださっているので、未見の方はこちらからどうぞ。
最後には著者のあとがき……というか妄想インタビューもあります。
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