【雑文】2023年に観たオススメのミステリー映画
昨年は1年間、観た映画を記録してみました。全部で95本観たようです。他にもテレビドラマやアニメ作品も観ているので、動画作品は大量に消費してきたみたいです。
その中で、コレは面白かった! 他のはいいからコレは観て! というのをピックアップしておきます。暇だなぁ、なんか映画でも観ようかなぁ、と思った時はこの辺をどうぞ。想像を超える結末をお楽しみに。
罪の声
原作は、塩田武士『罪の声』(2016年、講談社)。
映画は2020年公開。小栗旬、星野源が主役です。
アマゾンプライムで視聴。
1984年に「グリコ・森永事件」という実際に起こった未解決事件があったそうです。それをかなり忠実になぞりながら描かれた作品。
事件当時ではなく35年後、知らずに犯罪に加担させられていた当時の少年が過去を調べ出すというストーリーライン。35年後に当時のことを掘り返すなんて無理なんじゃね?と思うけれど、強烈な印象を残した事件であり、事件関係者に取っては忘れられない記憶。むしろ時間が経ったからこそ語れる、という説得力のある展開でした。
脅迫テープの声は全て少年少女で計3つ。うち1つが主人公である曽根俊也(星野源)の声。残り2人を探し、1人に会える。その1人の風貌と語る半生、そして「貴方はどんな人生を歩んだのですか?」(うろ覚え)という問いかけに窮する曽根俊也が印象的でした。
あと、テイラーである曽根のスーツがいちいち素敵。既製品を着る小栗旬との対比が良くて、ああそうそう確かに仕立てたスーツって見てわかるよね、格好良いよね、という感想を持ちました。お店の雰囲気と、ロンドンの叔父の本屋の雰囲気も似ていて良かったです。
鑑賞後の満足感もある、面白いミステリー映画です。
ナイブズアウト 名探偵と刃の館の秘密
映画は2019年公開。アメリカ映画です。
アマゾンプライムで視聴。
ウィキペディアを見ると、ライアン・ジョンソン監督が撮影するずっと前のインタビューの中で「アガサ・クリスティの推理小説を思わせるようなミステリ映画を撮ってみたい」という主旨の発言をしていたとか。まさにそれ。アガサ・クリスティ的映画でした。
本編の進み方が初めから推理小説的で、おお?と思っていたのですが、かなり序盤で犯人が分かり、事件時の出来事と隠ぺい工作が描かれます。倒叙ミステリーかと思って観ていたら、犯人の予期しないことが起こり、全員を集めたところから、さらに覆される。
心地良く騙されながらも、舞台の御屋敷の調度品とか間取りとかに萌えることもできて、本格ミステリー好きにご覧いただきたいお話でした。
ちなみに続編もNetflixで公開されているらしいです。はやくアマプラに来い!
ゴーンガール
2014年のアメリカ映画。視聴時は気づかなかったけど監督がディビッド・フィンチャー。アマゾンプライムで視聴。
タイトルのゴーンガールは「Gone Girl」。
148分の長尺映画ですが、この間に3転、4転する。元になった小説もあるようですが、ストーリーの作り方が緻密で、ぐうの音も出ない。いやあ、もうアメージング・エイミーです。
主人公の妻の突然の失踪、事件の臭い、主人公への容疑に不倫。最初の小一時間はダメダメな主人公の話ですが、その後の展開が凄い。妻の策略、予定外の事件、機転を利かせた次なる展開、そして元サヤに(?)。こんなミステリーを書けるようになりたいものです。
ギルティ
2018年公開のデンマーク映画。アマゾンプライムで視聴。
デンマーク映画です。緊急ダイヤルの受付の人の話。電話を受けるブースのみの絵で90分の映画が進むという、低予算技アリ作品。電話口のファミリーの言うことを繋ぎながら話が進展しますが、見事にミスリードをさせられ、「……ぉおお、やっちまったな……」と思うところが複数あり、変わり映えのない空間で緊迫感のある良い映画でした。
どうやらアメリカでリメイク作品があるみたいですね。そっちは観てません。
以前フォーンブースが一箇所で行われる良作映画だと思いましたが、超えてきたかも。やはり電話ですな。フォーンブースもオススメなので、紹介しておきます。フォーンブースの犯人の役者、あの人ですよ。
三度目の殺人
2017年の日本映画。アマゾンプライムで視聴。
観よう観ようと思って観てなかったやつ。てっきり東野圭吾あたりかと思っていましたが、是枝監督オリジナルですか。これは腰を据えてみて正解ですね。腹の底からぉぉおおという称賛の雄たけびが上がる。クライマックスの役所広司の機転とご都合主義で動いてしまう司法。圧巻の展開です。
絵として面白かったのは、ガラスを挟んで接見する場面。ガラスの向こうとガラスに映った顔が重なって映る。二人ともアップで、二人とも表情で語る。役所広司はやはり演技がすばらしく、それと重なる福山雅治が負けてない。ただ、初見で役所広司の人間性を完全には理解できなかったので、もう一回観ても良いかもしれない。「器」がキーワードなんだろうなぁ。あと、広瀬すずが可愛い。輝いてますね。
ミステリーではないけれど面白かったので↓↓
老後の資金が足りません
2021年公開の日本映画。主演は天海祐希。監督は前田哲。元は2015年刊行の垣谷美雨『老後の資金がありません』らしいです。アマゾンプライムで視聴。
完全に三谷幸喜作品だと思って観てました。ごめんなさい。三谷さんはしれっと役者として出ているだけなのですね。(失礼ながら……何やってんの、この人w)
コメディ要素を上手に入れながらも、老後2000万円問題や、娘の結婚(しかも相手が売れないパンクバンド)、オレオレ詐欺に、姑との同居、リストラと、お金に関わる内容が次々と起こっていく。
登場する個性豊かなキャラクターと、お先真っ暗になりそうな絶望的な展開ですが、最後には全てが調和し美味しく収まる。こんな本を書けるようになるまで、私にはあと何十年かかるんだろう。力量の差を見せつけられながらも、大いに笑い、ツッコみ、感動させられる。最後のエンディングも良い終わり方で気持ちが良い。
それにしても配役が秀逸なのだけど、あてがきでしょうか。ちょい役も大切にされてるのがわかる。色々一流。