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葛飾北斎に謝ろうと思う

Life has its ups and downs. 人生山あり谷あり
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僕は葛飾北斎に謝った方がいい気がしたので、そのようなタイトルになっている。

先日、東京での仕事があったついでに1人スタディツアーに出かけた。メインテーマは葛飾北斎。両国駅から少し歩いた所にある「すみだ北斎美術館」が目的地となる。墨田区が地球の歩き方とコラボして発行した「すみだの歩き方 葛飾北斎」という実に気の利いた冊子があったので、それを参考にした。

両国といえば相撲、相撲といえばちゃんこ鍋なので、昼食はどこかでちゃんこを食べて正しくおのぼりさんをしようと思っていたが、法政大学のN教授が素敵な情報を提供してくれた。両国には評判の良いモンゴル料理屋があるという。

両国→相撲→力士→モンゴル出身力士→モンゴル料理

繋がりました。両国といえばモンゴル料理。少し上級者っぽい響きがする。こっちにしよう。

羊肉をふんだんに使ったモンゴル料理は美味だった。店を出る時、女将と芸能人らが一緒に写っている写真が飾られているのが目に入った。黒柳徹子とのツーショットもある。やはり只者ではない。そこから図書館で調べ物をしたり、勝海舟生誕の地記念碑を見たりと少々寄り道をして北斎美術館に辿り着く。結構混んでいた。

富嶽三十六景というあちこちから見える富士山を描いたシリーズは想定より人気が出たため、商売っ気を出してさらに10図が加えられ、合計46図ある。いい感じに売れてるからと、御年72歳の北斎爺さんに追加で仕事をさせたという心温まるお話である。現代の人間も北斎にあやかり、彼の作品をテーマにした物品を販売している。中には北斎インスタントラーメンもあった。彼は今も仕事をしてくれているのだ。

北斎はLondon Business School教授のリンダ・グラットンらが人生100年時代(The 100-year life)とかなんとか言い出すよりはるか昔に、人生100年を想定していた人だった。正確には110歳までのプランを持っていたという。残念ながら彼は道半ばの数え90歳で永眠した。

僕が買おうかどうかと最後まで悩んだ北斎ラーメンの袋には有名な富嶽三十六景神奈川沖浪裏のデザインがプリントされていた。この作品制作に着手した当時、北斎は孫が博打で作った借金返済のために大変な苦労を強いられたそうだ。供養のために一袋買おうかと思い味を確認すると、昆布醤油だった。自分でも作れそうだと思い、買うのをやめた。

すまん、葛飾北斎。

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