これからの「正義」の話を息子としよう
長男(小5)の道徳の授業で、「正義とはなんでしょう?」という問いがなげかけられたそうで。
その授業では「正義とは、正しいことです」と結論づけられたらしい。
息子にその話を聞いた瞬間、「え?そうなの??」と感じている自分がいたのだけど、息子の話は続いた。
「俺、なんか違うなと思ってさ。正義とは『自分のプライド』だと思うって(授業内で)言った。」
おお!ただの「正しいこと」より、よっぽど私が感じていたものと近い。しかも、他では聞いたことのない、自分らしい表現で、とってもいいね!
私が定義するとしたら、「自分が絶対に守りたい大切なもの」かなぁ。正義と正義がぶつかるから、戦争が起こるわけだし。でも「自分のプライド」っていう表現もやっぱりとってもおもしろいね!
そんなことを息子に伝えた。すると息子は
「だよね。そもそも、『正しい』ってなに?笑 誰が決めるの?笑 法律が必ず正義とは限らないしさー。」と笑っている。
さらには「野原ひろしがさ、『正義の反対は悪ではない、別の正義だ』って言ってたよ。」とも。
ちょっと、野原ひろし、そんな素晴らしいこと言ってたの?!息子に大切なことを教えててくれて、ありがとう、野原ひろし。
今回の授業の流れや趣旨を、息子が正確につかめていない可能性も十分にあるので(そういうヤツ笑)、授業自体や先生の指導方針については、私はコメントする立場にない。
でも、まず息子が、授業で教えられたことに対して、「ほんとうにそうなの?」と違和感を持てたこと。その上で自分の意見を言語化したこと。そして、それをクラスの中で表現したこと。そのプロセス全てが、親としてはとってもとっても嬉しいことだった。
我が家の「正義」では、それらは超重要で、身につけてほしい力だったから。
さらには、その違和感を家まで持ち帰って話してくれたことで、親として伝えたいことを、改めて伝えるきっかけになったのも、良かった。
「正義=正しい」だけで覚えちゃうと、今後、自分の正義に合わない人を攻撃したり、排除したりすることに何の疑問も持たなくなるかもしれない。この世界は、人の数だけ正義があると言ってもいいのに。
私の正義とあなたの正義は違うんだって、最初から分かっていれば、まずはお互いを知ろうと努力するし、議論を重ねて折り合いをつける努力ができる。
「正義」については、ハーバードでも授業が行われるくらい、答えをみつけるのが難しくて、めちゃくちゃ面白いテーマなんだよってことを、NHK白熱教室のサンデル先生の授業なんかも見せながら、引き続き一緒に考えていけたらいいなと思っている。
だから、ほんとにありがとう、道徳の授業と野原ひろし。
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