短歌27「土星のフラペチーノ」
窓の外なのはなの咲く あたしまだ冷たい鞄抱えたままで
先生どうなんでしょうあんなにも蟻の行列ながめてたのに
ふきん絞り悲しいままで電灯をひとつずつ消すつぶすように
パプリカに頼る彩りはカモメ 35℃のカラダ新記録
冷凍をするかと問われ首を振るまだ見たことないあたしのたまご
たんぽぽの豹変君に似て 春は終わるし次の船が出る
飴玉に救われる身体になってキリンのように木を食い尽くす
それは深い水溜まりなの恋のようシンクの中のナイフを探る
こだわりはないのと言って飛ぶ鳥とルート上にいるカタツムリ
たくさんの卵を茹でる夜なべして 病院坂をころり転がる
食べすぎた金魚浮いてる家呼ばれ靴下を脱ぐ夢を見た気が
行き過ぎの言葉を少し引いてみた汚れることが許されない
歯の治療白いタオルをかけるよに うさぎ、右手に虹が出てるよ
遠くからしばらく見てる探すのを その時わたし本当にいない
めずらしい形の耳とイヤホンと土星の輪っかのフラペチーノ
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