短歌47「球根と雨」
死にてえな カップラーメン開かなくてカリカリしてる血の方が沸く
球根を思う小さな塊を 散った花の色取り込んで
飛ぶ夢なら見たことがないカタパルトになれるのならばあなた飛ばす
結局どこにいたって落ち着けないどこにだって母は来るから
暗闇に伸びる脚たちロープ探り感触だけを確かめるよに
人の目はつきまとうものどうしても 誰も見てないなんて嘘だわ
人の波空気求めて喘ぐよな振り払いたい水含む服
雨が降る雨が降らない花占い池に流れて長い午睡を
混んでる温水プール雨降りで睡蓮の子ビオトープの中
急な雨パーカー深く潜り込み むせ返るよう花香りたつ
ライラック濡れて香る蝦夷梅雨の祭りの出店傘咲いて回る
つまらない映画を観た夢を見た札束の感触手のひらにある