短歌2(1/15)
風の強い午後の女の啜り泣き聞こえるように泣いてたのでしょ
雪解けで彼岸拵えキラキラと輝くものに目を凝らしけり
金魚売り声張り裂けてのど飴を赤い赤いの滑らせて飲む
切り花の死はどこ薬溶かしたならば鮮度持ちます赤いままです
混線するラジオの向こう子守唄瞼の母よわたしはここよ
唐突に句読点次何を言うの赤いコーラがぴちぱち鳴くの
泡のよにさみしいばかり呟いて君はまったく蟹の奥さん
閉ざされた山分け行って希死念慮シダ植物に耳は無いので
死にたいを蝶のよう雪崩のように操る最期のしあわせなあぶく
髪伸ばし伸ばし切られてまた切って誰の記憶も細胞も切る
左手が死にたがるなり日曜の陽だまりいても口を揃えて
当てガーゼ皮膚科で貼られいつも自分で手当てをしてる優しくされた
細やかにもっと小指を動かすよう踊るよう言葉を言葉を
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