短歌19「ゆうまぐれ」
夕まぐれ手を繋いでジャンプする地球との縁切ってみたくて
わからない朝日も夕日もカーテンを閉めているからまだ眠れる
あかねさす日の暮れる時聞こえるは子の帰る声カレーの匂い
夕方にさよならをする友達と万年筆のインク凜として
さようなら明日も会えるつもりです夕焼けアイス溶けないでいて
夕日の優しさを見るベールかけ 透ける星空熊は休まず
夕闇のボート早くに戻らねば漕げども進まぬ恋しくてなお
早々に帳を降ろし緞帳の舞台終わって影は帰るよ
ピーマンの種取りにくくて憎らしい未読スルーの君王子様
ただ減るインクと紙がひらひらと 一つ書くごと強くなりたい
夕方の散歩の時間 通る犬みな可愛くて語彙がなくなる
逢魔が時ビアガーデンに打ち入って無茶苦茶楽し電飾の中
夕方の病院しんとしています長い午睡の茨の息吹
夕日がグラスに差して光伸びる昼間の強さのないこの部屋
長い間噛んだガムもう夜か 伸びる背中に光が灯る
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