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酒部朔
2024年1月6日 04:11
※第32回詩と思想新人賞の第一次予選通過作品に残していただきました。ありがとうございました。作品を公開します。そっと。流砂展覧会に来ていた、時間があったので。こつこつ音のする靴はマナーに反していると知っているけれど申し訳ない、そっと歩く。薄暗い展示室に入ると眠りの空気が満ちていて、よく見ると監視員の女性が船を漕いでいた。恋人宛の詩のメモ帳を広げている。宗教画の展示のようだった。あらゆる