見出し画像

イーストの培養

リキッドイーストや使いまわしのイーストを使用するときには、イーストを培養し、麦汁の発酵に十分なイーストの細胞数を確保し、イーストの働きが活発な状態にしておくと、発酵がスムーズに進みます。一般的に、19ℓの麦汁を発酵させようとするときには、500mlのイーストスターター(イーストの培養とアクティビティを高めておく)を用意しておくと良いでしょう。

もちろん麦汁の比重やイーストの種類、状態により変動はあるが、初期比重1.070以下であれば、500mlのスターターで経験上問題ないようです。また、White Labsのリキッドイーストを使用を例にとると、新鮮(記載されている使用奨励期限前)で、健康な状態のイーストであれば、スターターを作ることなく直接麦汁に投入しても問題ないそうです。これは、White Labsの説明書にも書かれており、もし新鮮で健康な状態が担保できるのであれば、汚染する可能性がかなり低くなる為、有力な選択肢の一つですね。

しかし、いくら使用奨励期限前で新鮮に思われるイーストであっても、その健康状態を目視することができないので、リスクも生じます。もし運搬状態の問題などでイーストが死滅してしまっている時には、発酵が進まず、その麦汁とはさよならする可能性が高いです。早めに気付いて、新たなイーストを投入して発酵を確認すれば、その麦汁は助かるかもしれないが、汚染のリスクも覚悟する必要があります。

そのような状態を防ぐ為にも、どんなに新鮮なイーストを使用するときでも、必ずスターターを用意するようにしています。スターターを用意しておけば、スターターの段階でイーストがきちんと活動するかどうかを確認することができるので、上記のリスクを排除し、麦汁を無駄にすることもないです。(これまで散々無駄にしてきてきたので。。。)ただ、ドライイーストを使う場合には投入量さえ間違えなければ、スターターは用意しなくても良いかな。

また、スターターを用意しておくことで、イーストの働きが活発な状態になるので、麦汁に投入してから発酵を始めるまでに時間がかからず、適切な発酵を進めることができます。特に、2週間以上活動していない使いまわしのイーストを使用するときなどは、必ずスターターを用意するようにしたいところ。これは、イーストの働きを活発にするためだけでなく、使いまわしのイーストは、発酵に必要な細胞数に足りないことが多いことや、汚染されている可能性があるので、必ず用意しておきたいです。

完璧に汚染を防いで準備した麦汁でつくったビールが失敗する原因は、発酵に必要なイーストの細胞数が確保できないこと、イーストが健康で活発でないこと、イースト自体が汚染されていること。この3つがほとんどの原因であることを頭に入れておくことが、とても大事です。イーストの培養方法は、後日書きますね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?