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自分の人生を生きるためのはなし その4弁護士のところへ行ったはなし

4回目の結婚記念日が過ぎた2020年2月某日、まずは弁護士会がやっている無料相談に行くことにした。
戸籍謄本の全部事項証明
住民票の記載事項に省略のないもの
を準備。700円ほど。それから二人の年収や結婚、離婚を切り出すまでの経緯などをまとめたシートを作成する。

当日。

弁護士とはいえ、他人に赤裸々な夫婦の経過を見せるのはかなり恥ずかしい。

初めての弁護士相談。ある程度かいつまんでまとめてきたとはいえ、改めて他人に自分の言葉で伝えるのはかなり苦しい経験だった。

全然状況は違うけど性被害に会った人が裁判で経緯を話さないといけないのがめちゃくちゃ辛いってのはとてもよくわかるなと思った。

「変な人ですね・・・」弁護士からも変人のお墨付きをもらった。

弁護士会の無料相談では「相談」だけで実際にその場で依頼することはできないため、この日話した弁護士に依頼したくても後日弁護士事務所へ出向く必要があるというのは知らなかった。

しかしここでは具体的に弁護士が介入した場合の流れや何を要求するかにより戦略が変わることなどを教えてもらえて勉強になった。

弁護士事務所は基本的に平日昼間しかやっていないところが多いので、仕事が平日休みで用事がない日となると月に1回程度しか行くチャンスがない。実際に依頼した人を含めて4人の弁護士と会ったが、人によって方針や戦略が違うのと、自分と合う合わないっていうのが結構あるなーと思った。少なくない金額を払うので多少の時間とお金がかかっても納得いく弁護士を見つけてから依頼するのがいいですね絶対に。

弁護士会の相談の後、実際に事務所に行くべく弁護士ポータルサイトみたいなところで離婚に強い弁護士を探してメールで予約をした。その時夜だったがすぐ折り返しの連絡をくれた弁護士さんがいて、それが良さそうだったので直接事務所に行くことにした。


そこでは無料相談よりもっと具体的に、自分が依頼されたらどう戦うかを教えてくれた。ここに行く前には電話で、LINEのやりとりでも証拠にできるので履歴を見返してきてくださいと言われる。これがまたものすごく辛い。
しかしここで気がついたのが、LINEではあまり直接的にひどいことを言われた証拠がない。動画や録音が大切だったのにしていなかったことを後悔した。モラハラの証拠となるものが弱いのだ。

しかしそこでも、「変な人です。普通じゃないです」と言われて、やっぱり客観的に見ても変なんだよなって思えて安心した。

実際に弁護士事務所に言って話してわかったのが、離婚と一口に言っても色々な手段があり、人によって戦略も違うこと。

そして費用がかなりかかること。

この弁護士さんは、1、調停を起こす 2、婚姻費用請求をする
と言う戦略をとると言っていたので、かかる費用は100万弱。

ここで相手の年収を全く知らなかったため、金銭に関する戦略をどう立てるかがかなり難しくなった。同居している場合には課税証明書を区役所で請求できたのだが、単身赴任で住民票が別なのでそれも無理。正確な年収がわからないと困るのが、私との収入にほぼ差がなければ多い金額は取れない(月1万にも満たないかもしれない)し、万が一私の方が収入が上だった場合には逆に請求される可能性もある。あとは車を取り返した場合はそのうちの何%かも成功報酬として別に支払うとなっていて、そのあたりがあまり納得いかなくて、持ち帰って考えることにした。

あとはこの時点では私の意思も曖昧なところがあり、慰謝料請求をするかどうかや、共有財産をどうするかについてしっかりと固まっていなかった。
相談料 30分5000円


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3月末、再度話し合いをした。

その際には離婚届を記入して印鑑を押しておいたものを見せた。
そこでようやく半端な覚悟で言っているわけではないことがわかってくれた。

私はずっと悩んでいたし、4年間色々なことを伝えていたつもりだったけれど、元夫にとっては1月に離婚を切り出された時がはじめてで、まさに晴天の霹靂で、いますぐに、はいわかりましたとは言えない、別れたくはないけれど話し合いはするので離婚するにしても協議離婚にしましょうと言われた。

どうしたらいいのかな、離婚が最終ゴールじゃなくて何か道はないか考えることはできないのかな、と言われたけれど、私はもうその段階は超えてしまったし、また夫婦としてやり直す気持ちにはなれないと伝えてその日は終了した。

でも本当はその言葉は私がこう言う風な気持ちになってしまうずっと前に言って欲しかった言葉で、ずっとそんな風に二人の将来のことを一緒に考えて欲しくて、解決できないことがあったとしても二人で乗り越えていこうねって言う言葉を求めていたんだなと思った。

本当にどうしてもっと早くそうしてくれなかったの、そう思って涙が止まらなかった。

そしてわたしも、もっと早く辛くてもぶつかっていけばよかった。
元夫に話し合いから逃げてたって言ったけど、わたしもこわくて逃げていた。

お金の問題やモラハラの問題はあったけれど、きちんと向き合ってこれなかったのはわたしにもよくないところがあったのは間違いない。

二人の関係を良くしていこうとするためには二人で頑張らないといけないので、わたしたちは二人とも頑張れなかったしお互いを思いやる気持ちを持ち続ける事が出来なかったし相手に甘えていた。


こんなに悲しくて涙が出るのはまだ好きなのか、情なのか。

そんなこんなで弁護士への依頼を考えていることを伝え話し合いを続けていたがここでコロナの感染が迫ってきて初めての緊急事態宣言発出。

札幌函館間の移動も簡単には出来なくなり、直接会って話すこともなかなかままならないまま悶々とした日々が続くのだった。

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そんな中7月、概ね離婚をすることには合意してくれたが、あとは時期の問題と言われた。相手は転勤があるので、できれば転勤のタイミングまで待って欲しいという。しかしいつ転勤になるかは直前までわからない業界なので、私はいつまで待てば良いのか?となる。この時点では離婚は合意したが時期で揉めており、また車や同居中に私が支払った金額を請求したい場合どうなるかという論点で別の弁護士さんへ相談に行く。この人もなんかピンとこなかった。具体的な話聞きたかったけど私の説明がよくなかったのか?

相談料 40分5000円

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9月19日、義弟のお金のトラブルなどの件でも不誠実な対応をされ続け、やはり直接交渉は無理と感じ、弁護士への依頼を決心する。しかし肝心の弁護士が決まっていない。この頃は空いてる時間のほとんどを弁護士検索に費やしていた気がする。ここでようやく依頼したいと思える弁護士さんと出会い、その場で契約して帰ってきた。

弁護士相談4人目ともなると私も相談に慣れてきたので論点を絞って要求も端的に述べられるようになり、おそらく弁護士側もどのようなプランを提案するかが絞れるためスムーズに進んだのだと思う。

ネットで検索しても、最初の方に相談した弁護士も、みんな調停とか裁判とか言ってたけど、なんかそういうことじゃないんだよなってなってたのだが、調停に行く前の「交渉」という段階で依頼してもいいのだということをここで初めて知った。交渉でうまくいかなければ調停に進むという流れが法律初心者には全くわからないんだもんな。協議離婚で弁護士を立てると言うイメージがずっと湧かなかったのだが、そういうところから説明してくれたのでようやくイメージがついて非常に良かった。
なんとなく、わざわざ弁護士さんに依頼するのは調停とか裁判じゃないとな・・・と言う印象だったので目から鱗でした。

着手金 198,000円

給付金は全て消滅した。

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9月末、弁護士を代理人として相手方へ連絡文書と回答書、離婚届を送付する。この時点から直接の連絡は禁止となったため、万が一自分の両親へ連絡が行った場合も返信などを拒否してもらわねばならないので、この時点でようやく両親へ離婚する旨を伝えた。

10月頭、回答書の期限ギリギリに署名捺印された離婚届が返信された。時期はこちらのタイミングで離婚することに合意したが、金銭の支払いには一切応じない代わりに車は返却するという回答だった。

正直もう疲れ果てていて、さっさと離婚成立できるならお金はもういいかなと思っていた。車もそこそこの値段で売れそうで、残りのローンを返却できるならそれでいいかと思ってその条件で手を打つことにした。

交渉が思った以上にスムーズに進んだため、成功報酬+必要経費で198,780円

10月24日離婚届提出。4年半に渡る結婚生活はこうしてあっけなく終了し、長い長い戦いは幕を下ろしたのだった。

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