クラフトビールブーム終焉は目の前かもしれない。
「最近ビールがつまらない」
これは国産地ビールのお話ですが、意外と多くの同士がいるようで。
なんとなくモヤモヤとそう思い始めたのは去年の今頃からでしょうか。
いろいろな人たちに話を聞いている内に疑惑の元が見えてきた気がします。
たぶんモヤモヤの発端はニューイングランドIPA(以下「NE-IPA」)ブーム。
2017年の初頭くらいからでしょうか。「NE-IPAというのがこれからの中心になりそうだ」みたいな話を聞き始めたのは。
その後、いくつかの醸造所も真似して造り始め、夏頃くらいまでは多くのビアバーなどで飲むことができました。
しかし今、2018年の3月時点で国産のNE-IPAを見かけることはかなり少なくなっているように感じます。
登場の時期から次世代の大本命、みたいに扱われていたNE-IPAが定着しなかった理由。その答えは簡単で「不味かったから」でしょう。
いや「NE-IPAと呼べる代物ではなかった」の方が正しいのかも。
実際いくつかの国産NE-IPAを飲ませていただきましたが、出来損ないのアメリカンIPAとしか表現しようのないものがほとんど。ボクは自身のblogやInstagramでビールの感想を残したりしていますが、不味すぎて感想残すのを諦めるほどでした。(誤解を招きそうですが、ちゃんとしたNE-IPAは美味しいです。外国産のNE-IPAは国内でも定着しつつあると思います)
どうやらそう感じていたのはボクだけではなかったようで、意外と多くの方から同様の感想を聞くことができました。そりゃ定着しませんよね。
さて、この状況はNE-IPAに限ったことではありません。
ここ数年のクラフトビール業界は「限定ビール」で溢れかえっています。
しかし端的に言って、定番を超える限定ビールに出会うことはほとんど無いように思います。
限定ビールを飲む理由は「新商品が出たから試しに飲んでみるか」であり、「美味しいビールに出会いたい」ではなくなってしまっています。
こんな飲み方をしていたらビールがつまらなくもなりますよね。
おかげで最近は限定を避け、定番をよく飲むようになっています。ただでさえ値段の高いクラフトビールです。限定商法に踊らされてイマイチなビールをつかまされるのにはもうこりごりなんです。
どこかで聞いたような話ダナーと思っていたら、第一次地ビールブームの衰退の理由と同じなんですよねこれ。
「確かに美味しいものもあったけど、根本的に不味いビールが多く結局定着しなかった」
当時を振り返る文献でこのような記述を見たビールマニアも多いはずです。
第二次地ビールブーム(クラフトビールブーム)は、第一次地ビールブームの失敗とは違い、質の高いビールを提供してきたことによってここまでの地位を確立してきたのではなかったでしょうか。
[2018.03.11記]