古代祐三が訊く! セガサウンドの秘密【第1回 】前編 セガ・川口博史(Hiro師匠)インタビュー(聞き手・古代祐三/文・鶴見六百)
古代祐三が「自分が読者だったら読みたい」記事
──それではよろしくお願いします。
Hiro 対談ではなくインタビューなの?
古代 ええ。当初は私のコラムはどうか、という打診を(編集部から)受けていたんですけど、今まででだいたいネタは出し尽くしてしまっていまして(苦笑)。なので自分が読みたいものだったら面白いんじゃないかな、と。それで真っ先に頭に浮かんだのが、Hiro師匠。どうやって曲を作っていたのかとか、今まで想像はしていたのですが、実はあんまりお訊きしたことがないので。
──古代さんが、「自分が読者だったら、ここまで突っ込んだインタビューを読みたい」という、そんな内容をお聞かせいただくことになるかと思います。特に今回は、Hiro師匠の長いキャリアの中でも、ハングオンからアフターバーナー辺りまでにフォーカスして、深~くお願いできればと。
Hiro なるほど。
古代 本当は直接お会いしてと思ったのですけど、コロナでこういう状況になってしまったので、遠隔会議になってしまいました。
──ではまず、これを読んでいる読者を「あの頃」にお連れするためにも、当時の開発環境からお伺いしたいと思います。
古代 開発機材はどんなものをお使いだったんですか?
Hiro よく覚えていないけれど、入社当時のPC本体はHP(ヒューレット・パッカード社のワークステーション端末)だったような気もするけど、違うかもしれない。CP/M(※1)で動いていたのは覚えている。当時は4人で1台の開発用端末を使っていた。
イメージがつかないかもしれないけど、「曲作りました」、「プログラムのフローチャート作りました」、で「打ち込みます」という段階になってやっと、その端末の前に行って打ち込んで。で、デバッグしてまた自分の席に戻って考える。それで1台を4人で使う。こういう開発環境だった。すご腕のプログラマーの人は1人1台与えられてた。そういう時代。
古代 サウンドプログラムって、ドライバーも全部込みでってことですか?
Hiro いや、自分がセガに入社した時は、プログラマーとして入ったけど、サウンドのプログラムじゃなくて、ゲームのプログラムをやってた。
古代 あぁ、そうなんですか。ゲームのプログラム自体をやって、サウンドは一切ノータッチ?
Hiro ノータッチというか、ガールズガーデンのときに林君(※2)へ「こんな曲作って」ってオーダー的なことはやっていたけど、サウンドドライバーはその時は作ってない。サウンドドライバーはサウンドの人が作るという文化があって。だからプログラマーはもう、サウンドドライバーでここにリクエストナンバーを書いてくださいっていうアドレスを知っているだけ。
古代 なるほど、昔のやり方ですね。
Hiro もう分かれてる(分業になっている)。
古代 それでセガに入られて、プログラムは何年間ぐらいやられたんですか?
Hiro 「チャンピオンサッカー」(※3)っていうSG-1000用ゲームのプログラムが最後だと思う。アーケードのゲームプログラムはやってない。ハングオンのときはまだだったけど、「曲を書いてよ」と(鈴木)裕さんに言われて曲だけ書いた。
古代 ハングオンは1985年だから、84年にはもうサウンドの仕事には入られていたんですね?
Hiro いや、俺、84年入社だから。
古代 えぇ? ものすごく短い間にいろいろやられていたということですか?
Hiro そうだね。
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