『Beep21』セガ・アーケード メモリーズ by 元『ゲーメスト』ライター 豊臣和孝 ーmemory 19ー ハイテンポでとっつきやすい名作! 周回するほどヒリつく絶妙な難易度曲線「エイリアンシンドローム」
今回は「エイリアンシンドローム」が登場!
1980年代から1990年代を中心に、セガのアーケードゲームについてゲームセンターで稼働していた当時の雰囲気、ゲーマーの間でどのように盛り上がったのかなどを綴った好評連載『セガ・アーケード メモリーズ』。今回は、トップビューのアクションシューティング「エイリアンシンドローム」をお届けします。遊んだぶんだけ上達を感じられる難易度は、アーケードゲームのお手本とも言ってもいいでしょう。『ゲーメスト』でライターをしていた豊臣和孝氏に、そんな「エイリアンシンドローム」の魅力をたっぷり綴っていただきました。
▼豊臣和孝氏による過去のコラムは以下からご覧ください
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今回の執筆者 : 豊臣和孝氏(元『ゲーメスト』ライター)
ゲームの基本情報 ~シンプルな操作系、全7ラウンドのループ構成~
今回ご紹介するのは、1987年にリリースされたトップビューのアクションシューティング「エイリアンシンドローム」です。地球からはるか遠くにあるスペースコロニーや宇宙船などの施設がエイリアンに襲撃され、内部にいた仲間たちが捕虜とされてしまいました。プレイヤーこと宇宙冒険家リッキーと宇宙戦闘員マリーは、設置した時限爆弾が作動する前に捕虜を全員救出し、さらには立てこもるエイリアンのボスを倒すのがゲームの目的となっています。
操作系は8方向レバー+1ボタン(ショット)と極めてシンプル。ふたり同時プレイに対応しており、シングルプレイはリッキーかマリーどちらか好きな方を選んでゲームを開始します(性能は同じ)。各ラウンドは常に初期状態(前ラウンドからのパワーアップ引き継ぎなし)からスタート。マップ内に散在する16人の捕虜をすべて救出すると出口(EXIT)の扉が開き、入るとボス戦に移行。倒すと次のラウンドに進むことができます。全7ラウンドのループ構成で、周回ごとに敵の動きや弾が早くなり、各ラウンドの制限時間も短くなっていきます(難易度UPは3周で頭打ち)。
ステージ中の壁には「MAP」と表示されたプレートがあり、これに触れると画面左上にマップが一定時間表示され、おおまかな全体構造や捕虜の位置を知ることができます。また、アルファベットが記された武器格納庫に触れることでより強力なショットやオプションが使えるようになります。
各ラウンドには制限時間があり、画面右下にカウンター(TIME)が表示されます。タイムオーバー時は残機を1失ってラウンドの最初からやり直し。アイテムや捕虜の配置は固定でランダム要素はなく、何度もプレイしてマップ構造と捕虜の位置を覚えるのがクリアのコツというか鉄則です。
ハイテンポなゲーム性と各ラウンドのメリハリが生み出すスリリングな体験
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