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『Beep21』セガ・アーケード メモリーズ by 元『ゲーメスト』ライター 鴫原盛之 ーmemory 20ー フルポリゴンを実現したサッカーゲーム! 対戦プレイも大いに盛り上がった「バーチャストライカー」
3Dサッカーゲームの元祖「バーチャストライカー」
1980年代から1990年代を中心に、セガのアーケードゲームについてゲームセンターで稼働していた当時の雰囲気、ゲーマーの間でどのように盛り上がったのかなどを綴る好評連載『セガ・アーケード メモリーズ』。今回は、3Dポリゴンによる初のサッカーゲームとして大ヒットした「バーチャストライカー」をお届けします。8方向レバー、ショートパス、ロングパス、シュートの簡単操作でテンポ良く遊べるサッカーゲームとして、長くゲームセンターで遊ばれた人気シリーズです。『ゲーメスト』でスポーツゲームを中心に攻略ライターをしていた鴫原盛之氏に、当時の盛り上がりについて執筆していただきました。
▼石井ぜんじ氏による過去のコラムは以下からご覧ください
▼豊臣和孝氏による過去のコラムは以下からご覧ください
今回の執筆者 : 鴫原盛之氏(元『ゲーメスト』ライター)
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あまりのリアルさと迫力に衝撃を受ける
「Beep21」読者の皆さんには「初めまして」ですね。フリーライターの鴫原と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、筆者が今回紹介させていただくのは、セガが1995年に発売した「バーチャストライカー」。かの有名な対戦格闘ゲーム「バーチャファイター2」などと同じMODEL2基板を使用し、ポリゴンによる3DCGを導入したサッカーゲームである。
以下、筆者が夢中になって遊び、並行して記事を執筆していた頃の記憶をたどりつつ、本作の魅力や当時のエピソードなどを思い付くままに振り返ってみた。
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本作の存在を最初に知ったのは、確かセガから『ゲーメスト』編集部にバイク便で送られてきたプレスリリースだった。書面に添付されていたポジ(死語)には、ポリゴンでリアルに描かれた選手たちが映っていて「こんなにカッコいいサッカーゲームは、今まで見たことがない!」と衝撃を受けた。
筆者は1980年代から国内外のサッカー観戦も、サッカーも含めたスポーツゲームで遊ぶのも大好きだったので「プレイ取材に行かせてください! 攻略記事も書かせてください!」と、すぐさま編集者に猛プレスを掛けた。
後日、念願がかなってセガ本社に勇んで出掛け、本作を初めてプレイしたときの感動も今なお忘れられない。まるで自分がタッチラインのすぐ横に立っているかのような、実にリアルな視点で描かれたグラウンド上を選手たちが動き回り、ボール持てば滑らかな動きでステップ、ターンを繰り出すデモ画面を見ているだけでも興奮が止まらなかった。
実際にプレイしてみると、ボールを蹴ったときのSE(効果音)も、まるで本物のボールを蹴っているかのようなリアルさで、ボールがピッチ上を滑るように転がるショートパスも、きれいなカーブを描くセンタリングの軌道も美しく、その心地良さは今までに遊んだサッカーゲームとは一線を画すものであった。
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