セガハード40周年注目の書籍『セガハード戦記』著者・奥成洋輔氏自らが語る制作経緯と見どころ
2023年はセガ初の家庭用ゲーム機
SG-1000が発売されて40年目の年。
そんな節目の年に注目の新刊が発売される。
『セガハード戦記』
こちらは1年前の今頃はちょうど
メガドライブミニ2の発表をしていた
セガファンにはおなじみの人
奥成洋輔氏による新刊だ。
今回は特別に『Beep21』読者に向けて
奥成氏自らが、その著作の経緯と
見どころを語ってくれた。
しかも!
7月9日(日)には『Beep21』編集部×奥成氏の
スペシャルトークショーと奥成氏のサイン会
も開催が決定!
セガハード40周年を記念して
ぜひこの新刊を手にしてほしい!
セガ家庭用ハード40周年の今年、セガハードの戦いが刻まれる
『Beep21』読者の皆さんこんにちは。奥成です。ひょんなことから初めて本を出すことになりまして、この場を借りて紹介に参りました。過去インタビューをまとめた本はあったのですが、自分で執筆した本は初めてなのでドキドキしています。
タイトルは『セガハード戦記』。セガのSG-1000からドリームキャストまでのライバルとの攻防を歴史的事実に基づいて追った本です。私が1セガファンとして見守っていたことと、仕事のなかで経験したこと、いろいろな文献やインタビューで知ったことを、可能な限り忠実に記しました。
これまでのゲーム本と違って、ソフトウェア技術やゲームタイトルの魅力についての話はほぼ一切出てきません。あくまでハードの歴史に絞りました。逆にいえば1983年から20世紀末にかけてのセガCSハードの歴史がこれ1冊でわかるようになっています。
2年以上前からスタートした本企画
企画がスタートしたのは今から2年以上前のことでした。白夜書房のWebサイト「ミライのアイデア」の担当編集の方から、「セガと歩むゲーム史」という題材で本を書いてもらえないか? という依頼を個人的にいただいたのです。でも僕、会社員ですけど? 会社員って本書いても良いんでしたっけ? しかも会社ではメガドライブミニ2の制作をスタートしたタイミングだったので、そもそも原稿を書く時間なんてあるの? というのが最初の疑問でした。
では試しに一度短期連載でコラムをやってみましょうかと、会社を通して2021年の夏に「セガサターンとふり返るあの時代」という5回の連載を書きました。
こちらの連載はおかげさまで好評いただいたんですが、全部合わせてもせいぜい2.5万字程度。本にするには10万文字くらい必要だそうで、ボリュームは全く足りません。
そこで上司のミヤヒロ副事業部長(当時)に相談をしてみたところ、副業で請けてみたらいいんじゃないかとのこと。わが社では、会社に申請し認められれば、業務外の時間に他のお仕事が受けられるのです。こうして世にも珍しい、退社していない現役社員による自社の歴史を語る本がスタートしました。
メガドライブミニ2開発と並行して書かれたメガドライブ編
メガドラミニ2の開発も佳境を迎え、オマケゲームにスペハリが入るか入らないか、どっちかというともうこれは間に合わない、収録は絶望的だな! などと頭を悩ませている時期に、主に土日のお休みを使って、私の精神安定のために書き始めました。それが2022年の夏に公開した「セガの名機 メガドライブの軌跡」です。
年明けからも書き直しを続けて大ボリュームに
これで大体5万字。残り半分は、メガドラミニ2の開発が終わってから書こうと思っていたのですが、夏以降も、生放送だ、営業だ、ムックづくりだと仕事は尽きません。結局最後まで書き終えたのは正月を過ぎた頃でした。
ところが今度は改めてまとまって読み直すと、時間をかけてしまったこともあって、最初に連載で書いた原稿のクオリティが目について、結局全体を直したくなってきます。気が付くと直しだけでさらに半年。ボリュームも計画していた10万字をはるかに超えるテキスト量になっていました。
本の内容については、過去の連載を読んでいただければ大体あんな感じなのですが、目次とともに解説すると全体では10+αのブロックに分かれており、こんな感じの話が書かれております。
この章は、セガハードが登場する前の1980年前後の家庭用ゲームの歴史背景を、自分の経験を中心にして語っているプロローグです。SG-1000/SC-3000誕生前はどんなだったのかを振り返ります。
セガの話はここから始まります。今から40年前の1983年。ここからいよいよセガハードが誕生するわけですが、その前後の家庭用ゲーム機とホビーパソコンについてのお話です。
この章では、個人的に思い入れは深いものの、苦難のスタートとなったセガ・マークⅢのデビューの時代です。セガ以外では『スーパーマリオブラザーズ(1985年9月13日発売)』が誕生した頃ですね。
ここでは一旦脇道に逸れて、セガの話題では無くてはならない雑誌『Beep』の誕生と、その前後のゲーム誌について紹介しています。毎月8日に本屋に通っていた人のための章です。
第3章のマスターシステムは、主にセガの海外展開の話です。欧州でのマスターシステムの活躍について語ります。
なんか突然項目が増えましたが、ページもボリュームもいっぱいになっているメガドライブの章です。ここはWebの連載で読むことができますが、本にするにあたりかなり直しました。また連載では文字数の都合上カットした話についても復活させています。
セガ唯一の携帯専用ハードであるゲームギアについての紹介です。
そして、日本の多くのセガファンにとって最も印象深いセガサターンの章です。ここもWebでの連載をベースとした、リメイク版となっております。ドリームキャストの話題も連載に合わせてここからスタートしています。
本書のクライマックスとなるのが、このドリームキャストの章です。見出しを並べただけで既に波乱の展開が想像できますね。
15万文字超288ページ!電子版にはちょっとうれしいカラー版の写真も
この他「はじめに」「おわりに」などもありまして、全部で約15万文字・計288ページ、本の厚みは約2cmと、なかなかのボリュームとなりました。また、この本には、一部紹介タイトル画像のほか、『Beep21』読者にはおなじみのセガ広報秘蔵の発表会やイベントの記録写真も掲載しています。特に同時発売の電子書籍版では、それらの画像をカラーで見ることができます。電子版の人はちょっと嬉しいポイントです。
本の中の「はじめに」の項でもちょっと書いたのですが、この本を書いた理由のひとつが、なるべく正しい歴史を知ってもらいたいということでした。ネットで面白おかしく語られることも多いセガハードですが、ただライバルに敗れたという事実ひとつでは伝えられることのない、当時どんな戦いが繰り広げられていたのかを書いた本です。
当時のソフト・ハードの制作者の苦労と栄光を振り返る『Beep21』の愛読者である皆さんには釈迦に説法かもしれないですが、この本を通してますますセガとセガハードの知識を深め、一層愛してくださると幸いです。
2023年7月9日(日)に『Beep21』×奥成洋輔氏によるトークショーと奥成氏のサイン会が開催されますっ!
というわけで今回の新刊の発売を
記念して、急遽開催が決定した
トークショー&サイン会は
以下の告知がされた翌日には満席となる事態に!
こちらのイベントは、もちろん
『Beep21』の誌面で後日たっぷりお届けする
予定ですので、当日現場に行けなかった!
という人は、そちらの記事をぜひご覧ください。
『Beep21』としても楽しい内容の
トークショーにする予定ですので
どうぞお楽しみに!
当日の模様はイベント後の週に
(なるべく早く)お届けする予定ですので
よろしくお願いいたします。
この記事が面白かった!という方は、記事の左下にあるハートマークの「スキ」も押していってくださいね。どうぞよろしくお願いいたします。
『Beep21』も併せてご覧ください!
※『Beep21』で一番ライトな読み方はこちらから(※下の「2023年間購読版」もお得でオススメです)
◆お得な「年間購読版」でも読むことができます!
※『Beep21』が初めてという方は、こちらの『Beep21』2021〜2022年分 超全部入りお得パックがオススメです!(※ご購入いただくと2021〜2022年に刊行された創刊1号・2号・3号・メガドライブミニ2臨時増刊号すべての記事を読むことができます!)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?