
「SEGA SOUND STREET on Beep21」01-2 デイトナUSA─光吉猛修─
セガサウンドの顔・光吉猛修氏の回顧録コラム2回目です!
1994年にアーケードでリリースされた「デイトナUSA」のボーカルサウンドで衝撃的な存在感を生み出した光吉猛修氏は"歌うサウンドクリエイター"としてセガサウンドを牽引し続けてきましたが、光吉氏自身による当時の回顧録シリーズとして「SEGA SOUND STREET on Beep21」が連載開始したのは前回お届けした通り。
回顧録連載2回目、本日公開致しました!伴いまして今週金曜20時からの #SEGASOUNDSTREET onYouTubeにて連動企画「コラム読みながら曲のコメンタリしてみた Let'sGoAway編」をLIVE配信予定です!DAYTONA USA, Let's Go Awayに関しての質問、コメントお待ちしております!https://t.co/vwbeA3reKE https://t.co/TSF1nGGhRY
— 光吉猛修(Takenobu Mitsuyoshi)SEGA公式 (@Take_SegaCorp) July 3, 2024
2024年に30周年を迎えた「デイトナUSA」のサウンドがどのようにしてできていったかをまずは綴っていきます。そして光吉氏のライブ配信でも解説される予定です。
本記事を読んで感想や当時の思い出を書いてくれた人に抽選で光吉猛修氏の直筆サイン入りCD『LET'S GO AWAY THE VIDEO GAME DAYTONA USA ANNIVERSARY BOX』のプレゼントもありますので、ぜひ最後までご覧ください!

CDプレゼントは
#Beep21
#光吉猛修
と入れて「本記事の感想」や「デイトナUSAのサウンドについての当時の思い出」をX(旧Twitter)でポスト(※旧ツイート)してくれた方から抽選で2名の方に光吉氏の直筆サイン入り「デイトナUSA」のサウンドトラックCDをプレゼントします! みなさんもぜひポストしてきてくださいね!
この他、『Beep21』で好評連載中の回顧録シリーズもご覧ください!
▼光吉猛修氏のインタビュー記事もあわせてご覧ください!
※本記事はこちらから見ることができます(※下の「2024年間購読版」はかなりお得でオススメです)
◆「2024年間購読版」にはサブスク版にはない特典の付録も用意していますのでぜひどうぞ!
歌モノの可能性を確信した1曲: Let’s Go Away
とりわけアーケードゲームの音楽で、プレイヤーに印象が残りやすい傾向があるのが、アドバタイズかセレクト画面、もしくは1面目で流れる楽曲、と個人的には考えてはいます。
「DAYTONA USA」において恐らく最もその印象の強い楽曲が「Dinosaur Canyon」と言うやや難易度の高い中級コース用の曲として選ばれた「Let’s Go Away」ではないでしょうか。

「Let’s Go Away」と言うタイトルにした理由を述べる前に、この曲は構成で言うところのAの部分「Daytona, Let’s go away, Daytona」しか当初はなく、私が当時英語の歌がついた曲を書く場合、文法や発音はさておき頭の中のイメージにある英語の流れやニュアンスをメロディに乗せてドラフトを作っていました。
「Smash Brothers」で英詞をのせてアレンジを施した「F-ZEROメドレー」も、まずニュアンスを優先した英詞のドラフトを作り、その後、意味合いを変えずに文法や言い回しをより英詞として整合性を持たせる為に社内のローカライズ担当部署の方に修正、添削頂く事でネイティブが見ても問題のない英詞曲を作成するフローで主に作成しています。
当時も同様にメロディとの語呂が良かった「Let’s go away」と言う英語を「DAYTONA USA」の効果音及びボイスを担当してくれた同僚のDaivd Leytze氏が、文法的にも意訳的にもおかしくない事を確認し、そのまま使用する事になりました。
歌詞に関してはもう一つ、面白い話があります。その後この曲にBメロが付くのですが、ここにAメロで使った「Let’s go away」と言うボーカルサンプルの中から「away」の部分を使い回していました。
ある日「Virtua Fighter」の開発に携わっていた、アメリカのMarines(海兵隊)に所属経験を持つモーションデザイナーのJeff氏に「Go away(どこかに行け)と聞こえるから変えるべきだ」と比較的キレ気味に言われました。とは言えネイティブからの助言と言う事もあってその後、1音足してGo awayに聞こえない様にした、と言う逸話もあります。
そんな「Let’s Go Away」のプロトタイプですが、ある事件を引き起こします。
ここから先は
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?