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「SEGA SOUND STREET on Beep21」01-5 デイトナUSA─光吉猛修─
セガサウンドの顔・光吉猛修氏の回顧録コラム5回目!
1994年にアーケードでリリースされた「デイトナUSA」のボーカルサウンドで衝撃的な存在感を魅せた光吉猛修氏。"歌うサウンドクリエイター"光吉氏自身による当時の回顧録が「SEGA SOUND STREET on Beep21」として『Beep21』で連載中!
▼光吉猛修氏のコンプリート版インタビューもあわせてどうぞ!
2024年に30周年を迎えた「デイトナUSA」のサウンドがどのようにしてできていったのか。光吉氏自身が振り返っていきます。
本記事を読んで感想や当時の思い出を書いてくれた人に抽選で光吉猛修氏の直筆サイン入りCD『LET'S GO AWAY THE VIDEO GAME DAYTONA USA ANNIVERSARY BOX』のプレゼントもありますので、ぜひご覧ください!
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CDプレゼントは
#Beep21
#光吉猛修
と入れて「本記事の感想」や「デイトナUSAのサウンドについての当時の思い出」をX(旧Twitter)でポスト(※旧ツイート)してくれた方から抽選で2名の方に光吉氏の直筆サイン入り「デイトナUSA」のサウンドトラックCDをプレゼントします! みなさんもぜひポストしてきてくださいね!
▼あわせて『Beep21』で好評連載中の回顧録シリーズもご覧ください!
※本記事はこちらから見ることができます(※下の「2024年間購読版」はかなりお得でオススメです)
◆「2024年間購読版」にはサブスク版にはない特典の付録も用意していますのでぜひどうぞ!
Sound Effects 〜こだわりのエンジン音と立体音響〜
これまで楽曲に焦点を当てて懐古してきたわけですが、ここからはそれ以外のサウンドに関する事を思い起こしていきたいと思います。前述の通り「DAYTONA USA」のサウンド開発は私以外にDavid Lytze氏と協業しており、彼は主に効果音と音声(ナビゲーター役)を担当していました。
「全てにおいて『Ridge Racer』を超えよ」という社命の元、効果音もまた例外ではないと考えた私は、今までにない何かを付与しなくてはいけない、という観念に駆られていました。
当時、世間では「立体音響」と呼ばれるものの出始めで、人間の頭の形をしたバイノーラルマイクやDolbyステレオ等、様々な試みが業界で見え始めていた頃だと思います。そんな中、楽器ではお馴染みのRoland社がある立体音響システムをリリースしていました。
RSS=Roland Sound Spaceと呼ばれる、ステレオ音源でありながら音の位相を変えて立体音響の様な広がりのある音像を作る事が出来るシステムです。セガのサウンドにはこのシステム(恐らく相当高額だったと思います)が既にあり、これで何か出来ないか、とは常々考えてはいました。
「DAYTONA USA」の中で、このシステムを使う事で一番効果が出る事は何かと考えた末、出た答えが「エネミーカーのパス音を立体的に聞こえさせる」事でした。パス音とはレース中にエネミーカーを自車が追い抜いたり、追い抜かれてたりする時に聞こえる、他車からのエンジン音の事です。
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