見出し画像

『Beep21』宮路洋一氏がメガドライブミニ2実機体験プレイで振り返る・前編「シルフィード」「天下布武 英雄たちの咆哮」開発秘話

10月27日に発売される
メガドライブミニ2には
メガCDの名作タイトルが収録されると
明らかにされ、大きな注目を集めていますが

ゲーム アーツのタイトル群は当時から
どの作品も高い評価を受けており、
収録されたタイトルはファンからも
歓喜の声が多く聞かれています。

今回は当時の制作に携わった宮路洋一氏に
メガドライブミニ2の実機で各収録タイトルを
見てもらいつつ、それらのタイトルが
いかにして産み出されていったのか
について開発秘話を語ってもらいました。

まずは3Dポリゴンを駆使して
驚異的な映像を産み出した
「シルフィード」とメガCD最初の
タイトルとしてリリースされた
「天下布武 英雄たちの咆哮ほうこう」の
2タイトルについて、見ていきます。

30年前のあの当時に、これらの
タイトルで見せつけられた革新的な
映像はどのようにして実現したのか?

数々のエピソードが紐解ひもとかれていきます。

「シルフィード」(ゲーム アーツ / 1993年7月30日発売 / 8,800円 ※当時 / メガCD専用) ©1993 GAME ARTS
「天下布武 英雄たちの咆哮」(ゲーム アーツ / 1991年12月28日発売 / 7,800円 ※当時 / メガCD専用) © GAME ARTS

宮路氏のインタビューはこちらでも
掲載していますので、あわせてぜひご覧ください。

※『Beep21』が初めてという方は、こちらの1号・2号・3号 3冊全部入り『Beep21』トリプルパックがお得でオススメです!(※ご購入いただくと創刊1号・2号・3号すべての記事を読むことができます!)

まずは宮路洋一氏に
メガドライブミニ2の実機を初めて
見た感想を語ってもらいました。


よくこんな小さいのに収まったよね

──メガCDというと、当時は49,800円で、ソフトも7,800円とか9,800円とかのものもありましたが、今回のメガドライブミニ2は9,980円(税別)で「LUNAR」の1作目と2作目や「シルフィード」「ぎゅわんぶらあ自己中心派」なども含め、60本もの名作が収録されています。実際に実物をご覧になっていかがですか?
宮路 手に取って驚いたけど、ちょっと大きめな名刺ケースみたいにちっちゃいね、これ。こんなのにほんとよく入ってるね。あと、値段ね。安いでしょ。どう考えても(笑)。アーカイブとして見ても、こういう物理的なハードはいいよね。僕はゲームのアーカイブ(保存・記録、保管)ってすごく重要だと思ってるんだけど、今のオンラインサービスのゲームって、実はちゃんとしたアーカイブになってないと思ってて。だって、そのオンラインサービスが終わっちゃったら、遊べなくなっちゃうじゃないですか。昔遊んでたオンラインゲームとかも、(サービス運営が終わったら)二度と遊べないのと同じで。そういうのに比べると、こういう物理的なゲームパッケージにされて、ずっと手元に残して遊べるというのはすごく嬉しいよね。

──実際、今から昔のメガドライブとメガCD本体を接続してソフトも引っ張り出して遊ぶ...というのはかなり大変でしょうから、すぐに遊べるという点でも楽ですよね。
宮路 もちろんね、古い当時のメガドライブで遊ぶっていう人もいっぱいいると思うけど、それ(当時のハードやソフト)だって、やっぱり30年も経ってると壊れてきちゃうからね。こうやってアーカイブ資産が残るのは、当時のソフトを作った僕らから見ても「失われない」っていう意味でもいいなと思います。こういうのはちゃんとした財産として残せるからね。

──収録タイトルも、バランスがいいというか、どれも結構遊べますよね。
宮路 30年前のゲームって、今の若い子たちは見たことがないゲームなのかもしれないけど、逆にそれが新しくて面白いっていう人もいっぱいいると思います。個人的には最近のゲームって、マニアックで一般の人が遊べるゲームが少なくなってきてるようにも感じているので。グラフィックなんか、見た瞬間面白そうと思っても、自分にはやっぱり難しそうだから、プレイするのはあきらめる...みたいなところがあるというか。ある意味、ハイスペックですごすぎちゃって、逆にハードルを上げちゃってる部分があると思う。だけど、(メガドライブミニ2に収録されている)ゲームって、誰でも遊べるゲームになってますよね

© SEGA   MUSIC©YUZO KOSHIRO Licensed by Ancient Corp.

──意外と昔のゲームユーザーには、いい受け皿になっているかもしれませんね。
宮路 ゲームの重要な部分って、遊びをちゃんと体験できることが重要なので。ファミコンがスーパーファミコンへと進化した時、それについていけなくなった人が出てきても、ちゃんとゲームボーイが出てきて、ちょっと(難易度や手軽さも初心者用に)戻ったじゃないですか。あれもちょうどいい受け皿になってたと思うんです。今どきのゲームも、進化しすぎたゲームの受け皿に一時期はモバイルゲームがなっていた部分があったんですが、今はモバイルゲームも進化してきてしまって、ライトなユーザー層というのを受け止める場所があんまりないと思うんですよね。そういう意味でも、こういうメガドライブミニ2みたいなものはちょうどいい、というのはあると思う。これだったらみんな遊ぶじゃない、気軽にね。ジャンル的にも全部入ってるし。だから、これが出たら、たくさん実況動画とか上がったりすると思うんだけど、それを見てる人も、単に視聴するだけでなくて、たぶんみんなやりたくなると思うの。簡単だから。

純粋にこういう形で自分たちの作ったゲームが手軽に遊べることはうれしい、と宮路洋一氏。30年経った今だからこそ、幅広い世代の人がメガドライブミニ2を楽しめると思う、とも。

あの当時、メガCDを選んだ経緯

ここから先は

9,486字 / 9画像

最終収録予定記事数は実に50本以上!総文字量は40万文字超(※新書3冊分以上)の大ボリューム! A級資料満載の永久保存版をぜひお手元に!

伝説のゲーム誌『Beep』が2021年に21世紀仕様になって帰ってきた! 『Beep21』は他では読めない独自取材記事と当時の関係者による…

各マガジンの通常価格の単品合計が2,980円のところ、こちらの一気読み超全部入りパックだと2,480円で買うことができます。4つのマガジンの総文字量は120万文字超!新書10冊分近い大ボリューム!永久保存版アーカイブとしてぜひ!

21世紀に奇跡の復活を遂げた『Beep21』の2021年〜2022年の記事すべてを一気に読める超お得なパックがこちらです!『Beep21』…

単品販売はそれぞれ500円ですので、初めて『Beep21』を買う人には、こちらがかなりお得で便利です(1号あたりなんと40円引きです!)。一度購入すれば、この後追加・更新されていく記事もすべて追加料金なしで読むことができます。他では読むことができない大ボリュームの独自記事の数々をぜひお楽しみください!※1号か2号をすでにお持ちの方は同じものですので、買わないようにしてください(その場合は単品でご購入ください)。

好評発売中の『Beep21』の創刊1号・2号・3号の記事を全部収録した全部入りトリプルパックです。今から一気に創刊号から3号まで全部の記事…

500円でこの号を購入したあとは、記事が追加されてもそのまま追加料金も必要なく新しい記事を読むことができます。一般的な新書がだいたい12〜14万文字ですが、3号はその倍以上のボリュームの記事を予定しています。ぜひ『Beep21』を手にして、あの時の熱い想いを思い出してください。

伝説のゲーム誌『Beep』が2021年に21世紀仕様になって帰ってきた! 満を持して『Beep21』創刊3号が発売されました! 創刊1号が…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?