『Beep21』セガ・アーケード メモリーズ by 元『ゲーメスト』ライター 豊臣和孝 ーmemory 18ー 唯一無二の操作系! 高難易度のカルト的存在「SDI」
1980年代から1990年代を中心に、セガのアーケードゲームについてゲームセンターで稼働していた当時の雰囲気、ゲーマーの間でどのように盛り上がったのかなどを綴る連載『セガ・アーケード メモリーズ』。今回は、ボタン付きレバー+トラックボールという操作が特徴の「SDI」をお届けします。特殊操作なことも相まった高難易度ゲームですが、やり込むと見えてくる斬新なゲームデザインはセガらしい挑戦的なものでした。『ゲーメスト』でライターをしていた豊臣和孝氏から見た、当時のゲームセンターにおける「SDI」はどんな存在だったのでしょうか。
▼豊臣和孝氏による過去のコラムは以下からご覧ください
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今回の執筆者 : 豊臣和孝氏(元『ゲーメスト』ライター)
令和の今となっては要説明 ~「戦略防衛構想(SDI)」~
今回ご紹介するのは、1987年にアーケード向けにリリースされたスペースシューティングゲーム「SDI(エスディーアイ)」です。プレイヤーが操作するのは、衛星軌道上にあるサテライトシップ。敵国から放たれる大陸間弾道弾を迎撃し自国を守るのがゲームの目的となっています。
本作がモチーフにしている”SDI”は、当時プレイ経験がある筆者らの世代にはとても有名なのですが、令和の今となっては説明が必要でしょう。「戦略防衛構想(SDI / Strategic Defense Initiative)」は1983年3月に当時のアメリカがレーガン政権において提唱した軍事計画で、大雑把にいえば“防衛を主眼とした宇宙の軍事利用”を推し進めるというものでした。地上のシステムと衛星軌道上の防衛装備を連動させ、脅威となる敵国の戦略攻撃を阻止する構想が「まるでSF映画のようだ」と評されたことから、俗に「スター・ウォーズ計画」とも言われました。
操作系(コントロールパネルの仕様)は、上部にショットボタンがついた8方向レバー、トラックボールという独特なもの。プレイヤーは自機となるサテライトシップをレバーで操作し、トラックボールで照準をつけますが、この機能の割り振りが本作の印象を際立ったものにしています。
ゲーム進行は基本的に「攻撃シーン」、「防御シーン」の2部構成
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