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雨の日も、やっぱりいろいろある。

2022.6.21(火曜日) On rainy days

いつもよりすこし早く目がさめた。

カーテン越しに入る光はどんよりしていて、この季節らしい色をしている。
タオルケットの中で脚を伸ばそうとするとふくらはぎが攣りそうになる。
いつものことなのに朝になると忘れてしまう。ゆっくりと脚を伸ばす。

すでに外からは車が往来する音や、カラスの鳴き声が聞こえる。
エアコンの端にある表示部分に小さな赤いライトが点灯している。
昨夜からこの調子でエアコンはフル稼働していた。
キッチンから物音がする。
夫がお湯を沸かすために湯沸しポットの操作をしていると思われる。
いつもならこの音で目が覚めるのだが、今朝はいつも違っていろいろな音をベッドの中で冷静に聞いていた。

6時45分に起き上がった。
カーテンを開ける。
外は小雨が降り出していた。

今月の家庭内経費の計算をする。
ふと気がついて、引き落とし専用口座の残高をネットで見た。

残高63円。

びっくりするより、ほほぉ〜と感心した。
いつも引き落とし予定の金額をこの口座に振り込むのだけど、足らなくなるといけないのでいつも余計に振り込んでおく。でもいつもなんだかんだで数千円ほどの余りが出る。今月はたった63円の余り。
63円ってもう誤差なし(ぴったり)くらいの気分だ。
こんなことで喜びを感じる私は、ほんとに人生のハードルが低い。
いつか正真正銘のぴったりを出してみたい。

ずっと雨。
お昼前に家から一番近いスーパーに行く。
一番雨が激しい時で、店内はガラガラだった。
そんな中で「イトカズさん」と、後ろから声をかけてきた人がいて、誰だろうと思って振り返ったら隣に住むMさんだった。
「こういう天気の時は、うちのマンション専用スーパーになるね」と言って笑っていた。
確かに、数人のお客さんの顔は見覚えのある人ばかりだ。
良いのか悪いのか、ちょっと複雑。
Mさんが「ヤクルト1000を買いに来たけど売り切れだったわ。どこかで手に入らないかしら?」とぼやいている。
今、世間を騒がしているヤクルト1000だ。普段ヤクルトを飲まない私でさえ知っている。
「そんなに良いんですか?」と聞くと、Mさんには鬱で闘病している妹さんがいて、その妹さんが「すごく良い」と言って毎日飲んでるらしい。だからどうしても買ってあげたいのだそうだ。
「ヤクルトの直売所に聞いてみたらどうですか」と言うと、「それも試したけど直売所にもないらしいのよ」と、言っていた。
なんとか妹さんのために協力してあげたいが、こればっかりは手作りできるもんでもないし、ヤクルトレディに知り合いもいないし、ヤクルトの上層部に強力なコネもないし、10倍近い値段で転売されているものを買ってプレゼントするほどお金持ちでもないしねぇ。

そんな話を魚売り場の前で延々とした。

で、魚は買わず、今夜のメニューはカレー。
それも普通の昔カレー。
スパイス系のカレーは苦手で、私が作るカレーは、人参、じゃがいも、玉ねぎ、牛肉入りのゴロゴロとしたカレーだ。
流行りのスパイスの香りなど何もしないが、一応辛口。
辣韮と福神漬けも買った。


雨の日は猫が静か。
窓際にある自分のベッドで朝からずっと寝ている。
雨音を聞きながら。





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イトカズ
読んでいただきありがとうございます。 書くこと、読むこと、考えること... これからも精進します。