困惑の色、隠せぬ贈り物
2022.2.18(金曜日)present
小さくても重いものを頂く。
夫が勤める会社の社長の奥様から私宛に贈り物が届いた。
宅配便の配達員が持っていきた荷物の差出人の名前を見てドキッとしながらハンコを押す。
以前にも書いたと思うが、社長の奥様は旅好きでらっしゃる。季節ごとにその季節を感じられる土地へ旅をするというとても羨ましい趣味をお持ちだ。このご時世でそれもままならずおとなしくしてらしたようだが、添えてある手紙に「ちょっと隙を見つけて行ってきました」と書いてある。
品物は旅先で訪ねたお寺で作られたごま豆腐セットだった。
私はごま豆腐が大好きである。それに精進料理で作られたものは尚更好きである。そんな話を社長夫人にしたことがあるかどうか私自身は覚えていないが、文面の最後に「イトカズさん、ごま豆腐お好きでしたよね。気持ちだけですがどうぞお召し上がりください」と結んである。きっと私はごま豆腐が好きだと言ったのだなと思う。
この文面からしてどっちの立場が上なのかわからない(まぁそういうフランクな感じの方ではあるのだけど)
何と返事しようか悩む。友達なら『ありがとう。美味しかった』で済むのだろうけど、あぁ苦手だわ。目上の方、しかも夫の仕事関係者に手紙を書くのは。と、小さな悩みが勃発している。
*
スーパーに行く時にエントランスでマンションの住人の方と出くわして、彼女はしきりに「寒いわね、今日はほんとに寒いわ」を連発してらした。私はそんなに寒いと感じてなかったのだけど「そうですね、ここ数日寒いですね」と話を合わせる。
最近、他人に話を合わせることが多い。若い頃はそう思わない時は「そうは思いませんけど」とはっきり言っていたのに。年を取ると丸くなるっていうのは本当ね。
というか、丸くなるというより話を長引かせるのが面倒なだけなのかもとも思う。ここぞという時はちゃんと意見を言える人でありたい。
そんなことを考えながら買い物をする。
今夜はポトフ。
じゃがいも多め。