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さぁ急げ 最後の言葉を 言わなくちゃ

2021.12.22(水曜日) end of the year

電車に乗る。

今年最後の眼科定期検診。
私が通う眼科は数駅先にあるので電車に乗って行く。
どこかに遠出しない限り電車に乗ることはないので、たった4駅だけなのだが、日曜日にお出かけする幼稚園児のように少しウキウキする。
そういえば、車に乗ることもない。
お芝居の関係で夜遅くなる時だけタクシーを使うくらいだ。
普段は徒歩専門なので、乗り物に乗るのはどことなく新鮮な気持ち。
その気持ちからか、前に座った人をじっと見てしまう。
80歳くらいのおばあちゃんだけど革製のピタピタパンツを履いて、もちろん革ジャンで頭はポンパドール。
思わずヒュ〜と口笛を吹きなくなるようなカッコよさだ。
カッコいいとか品があるとか、そういう形容詞はたくさんあるけれど、その人の生き様が垣間見れるのがいちばんかっこいいと思う。
このおばあちゃんはきっと長年ロックンローラーだったのだろうと勝手に思ってほくそ笑む。

一通りの検査をして診察をして、担当女医さんと年末のご挨拶をする。
「今年もお世話になりました、良いお年をお迎えください」
と、当たり前すぎる言葉が私の口から出た。それを言った後に、うわべだけの挨拶に何の意味があるのかと斜めに構えていた自分の若い頃のことを思い出した。
そんな私がねぇ、こんな言葉を無意識にすんなりと出せるようになったのだな。大人になったということだ。
この時期になると大人の誰もが何十回と言う当たり前の言葉が、人と人の間に入ってすんなりと相手の笑顔を誘う。そういう役目のある言葉だ。
当たり前の言葉は時にウザいが、時には潤滑油になる。

午後からは歯科。
これも今年最後の診察だ。
「お世話になりました。来年もよろしくお願いします」
これもすんなりと出た。

疲れていたが、歯医者の帰りにスーパーに寄って、今夜は何を作ろうか考えながら売り場をウロウロする。そもそも作る気がないから何も思い浮かばない。焦っていると目の前に魚屋。何もかもめんどくさくなってお寿司を買う。これで何か汁物を作ればそれでOKだ。
手抜き極まりないが、やる気のない時に無理して作っても美味しい料理は出来上がらない…と自分勝手なセオリーを採用する。
ついでに日本酒とワインも買う。

帰宅したら、エノテカからワインのつまみセット(自分で注文したやつ)が届いていた。疲れが吹っ飛ぶ。
ワインも買ってきといて良かった。

楽しみ。


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イトカズ
読んでいただきありがとうございます。 書くこと、読むこと、考えること... これからも精進します。