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いつからか チヨコレイトに ひれ伏して

2022.2.14(月曜日) St. Valentine's Day

髪を切りにいく。

私の担当の若い美容師さんは、今日はとても明るくて元気そうだった。
「今日はバレンタインですねぇ〜、旦那さんにチョコ贈るんですか?」
と聞かれて、あぁ今日はバレンタインデーなんだと気がついた。世の中にチョコレートが散乱していたから『あっ、そろそろだ』とは思っていたが、今日がその日だとは今朝自ら日めくりカレンダーをめくったにも関わらずまったく気がつかなかった。
美容師は続けて言う。
「今日はいつもに比べて女性のお客さんが多いんですよ。やっぱり彼氏とかに会う為なんでしょうかねぇ」と楽しそうに話している。
きっとこの美容師さんも彼に会うのだな、だからこんなに元気なんだと思った。
バレンタインデーだからヘアサロンに来たと思われるのは心外だったが、ここで「バレンタインデーなんて興味ないわ」なんてアヴァンギャルドな発言をしてもしょうがないし、場の空気を悪くすると思い、「もう結婚して15年になるのよ〜、旦那にチョコあげるなんて、ないない(笑)」と、笑ってその場を逃れた。美容師さんも「あはははっ、そんなもんですかね」と笑っていた。

もう何年前になるのか忘れたが、私はある考えがあって、いわゆる日本における年中行事のようなバレンタインデーを自分の中で封印した。言いたいことは山ほどあるのだが、ヘアサロン同様ここでは遠慮しておこう。場の空気を悪くするのは避けたい。
ただ、今年もチョコレートは買わないし誰にもあげない。
それは間違いない。
しかし、夫は会社勤めなので毎年義理チョコをたくさんもらってくる。
令和の時代に入っても昭和の義理チョコシステムがまだまかり通っている。
不思議な国日本だ。

上手なブローの仕方などを美容師さんに教わった。
帰り際に「彼氏によろしくね〜」とカマをかけて言ってみたら、
「ひゃ〜ありがとうございますぅ〜」とニコニコ笑っていた。
彼女はバレンタインデーというだけで機嫌がいい。もうそれだけで私にとってのバレンタインデーは充分だ。

髪が短くなると気分がいい。
昔、山口百恵さんが「女性は髪が1ミリ短くなるだけでも気分が変わる」と何かのインタビューでおっしゃっていたのを思い出した。それはとてもよくわかる。手でさぁ〜っと髪を撫でると、例え1ミリでも触る感覚が違うと思う。今日は1センチ切ったからかなり変わってると(自分では思っている)
出かける時は曇っていてポツポツと雨も降っていたが、帰りは晴れていた。さらに気分が良くなって寄らなくてもいいスーパーに寄って、お昼用のサンドイッチとスープを買った。

帰宅途中で同じマンションの方と出会い、途中から一緒に帰ってきた。スポーツウエアを着込んでらした。スポーツ好きなその人は感染対策で今まで毎日行っていたジムに行くのを今はやめてるそうで、ストレスが溜まると言っていた。そのストレス対策に公園をひたすら毎日歩いたり走ったりしているのだそう。
人それぞれいろいろ努力しているのだなと思った。
私は、努力という言葉を忘れたかのように何も努力をしていない。

努力、根性、忍耐。
私の中で忘れ去られた言葉。



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イトカズ
読んでいただきありがとうございます。 書くこと、読むこと、考えること... これからも精進します。