クソリプとグレアム投資
ベンジャミン・グレアムという投資家がいて、バリュー投資の一種である『シケモク投資』で有名だ。シケモク、つまりタバコの吸い殻のようなクズ株と呼ばれる低価格株を拾い集めて、その中で1つでも2つでも大幅に跳ねたらトータルリターンが得られる戦略を『シケモク投資』とか『吸い殻投資』と呼ばれている。僕は『吸い殻投資』の呼び方の方が好きだし、小型バリュー株投資を『グレアム投資』と呼ばれたりする。
株式投資の話をしたいのではなくて、いわゆる『クソリプ』を送っていく人について色々考えるときに、この『吸い殻投資』のような思考というか戦略を持っている人が結構いるんじゃないかと仮説を立ててみたい。
つまり、有名なアカウントにリプを送って反応が返ってきたなら、自分のアカウントのインプレッションは伸びる。あるいは”自己顕示欲”や”承認欲求”が満たされる。
だいたいスルーされるだろうけど、100くらいリプして1つでも返ってきたらラッキーで嬉しい、というわけだ。
SNSはネットさえ繋がれば無料で使えるものがほとんどなので、初期投資ほぼゼロで始められる。時間さえかければ無数のアカウントに『クソリプ』を送ることができる・・・・・
一応、この発想はリプを送っているアカウントに中の人、人格があることを前提にしている。中にはbotを使用してマジでビジネスにしている人もいるだろうけど、僕個人の体感としてはそういう人はそんなにいなくて、botのbの字も分からないような学のない、でもプライドの高い承認欲求モンスターがクソリプを繰り返しているように見える。
リプを使ったインプレッションビジネスの話は脇の置くとして、有名アカウントにたくさんリプをする人の戦略はベンジャミン・グレアムの『吸い殻投資』にとても似ている。
・初期投資が少なくて済む
・小さい投資が大きく伸びる可能性がある
投資といってもここでのリターンは承認欲求とか自己顕示欲なので数値化できないのだけど、ともかく何かのリターンを期待しているからクソリプを繰り返しているのだろう。
要するに構造上、クソリプを繰り返す人はいなくならない。それが合理的な戦術なので、ルールが変わる(例えばリプするのにコストが増大する、お金がかかる等)ことがない限り、その手のアカウントはいなくならない。
という残念な結論に至ったので、ぜひここまで読んでくれたみなさんにおかれましては1株から買えるS株や米株をちまちま買い集める『吸い殻投資』を覚えていただいて、金銭的なリターンを期待していただけたらと思います。
ネットでは昔から「荒らしはスルー」が鉄則です。