頻出ノンダイアトニックコード
本来ならば代理コードやコードスケール、モーダルインターチェンジなどを学ぶべきなのでしょうが、「音楽理論、怖い!」「難しいのは苦手」という方も多かろうと思いますので、ざっくりよく使うノンダイアトニックコードを紹介し、ざっくり解説します。
1.同主転調系
キーがCでもFmやGmは頻出します。これは作品にもよるのですが、あんまり深く考えずに同主転調と考えるとⅡーⅤとかsubⅤの知識がなくても使えますよ。
ex. | C | G |Ab Bb | C |
大事なのはとにかく使って感じること。普段のコード進行に混ぜて、なんとなく好きなもの、よく使いたくなるものが自分の得意なコード進行です。
2.ブルース系
トニックをドミナント7thにしたくなったら、ブルースの世界へようこそ。次にくるのはⅣ7。これもsubⅤを知っていれば別の説明や解釈もできるのですが、別にそんなの知らなくても気に入れば使っていいのです。
ex.| C | C7 | F | F7 |
一瞬だけ使うとオシャレな感じになるし、汎用性の高いノンダイアトニックコードです。たった2つですけど(笑)。
3.ドリアン系
ドリアントニックを使ったノンダイアトニックコードは、ロックやポップスで頻出します。一番知られてるのは天国への階段/Led Zeppelinでしょうかね。
ex. |Am |D |Am |D |
あるいは、
ex. |C |D | Bm7 Em |Am |
魔女の宅急便のテーマ曲であるやさしさに包まれたなら/荒井由実の冒頭の不思議なコード進行はドリアン系で説明できます。Bm7は♭5じゃないですよね。
4.とりあえずmaj7系
とりあえず黒鍵をルートにしたmaj7を挿入してみましょう。これは以前もnoteで紹介したんですが、特に考えもなく挿入するのがコツです。
ex.| Am B♭maj7 | F D♭maj7 | Dm7 Em7 |Am |
あんまり使いすぎるとバランスが崩れちゃうので、せいぜい一節に1つか2つ程度にするのがコツです。元のダイアトニックコードに解決するとより自然。
また、ノンダイアトニックコードのmaj7thはコードスケールがLydianなので(詳しく勉強したい人はしてください)、転調するきっかけのコードにすることができます。
ex. | C G | F G | B♭ C | F |
→Key=F
色々試してみてくださいね。
まとめ
作曲を始めたての人の大きな悩みは「コード進行が単調でマンネリ気味」なんだそうです。僕もそういう頃があったような気がします。
そして多くの人が、ダイアトニックコードを「このコードを使えばいい」的に思っている。今回は、「それは違います」と説明するための資料です。
ダイアトニックコードは効率的にノンダイアトニックコードを発見し、自分のものにするツールです。ちゃんと分析しなくても、知識がなくても、好きなコード進行を発見すればいいんじゃないでしょうか。
それではよい音楽制作ライフを。