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2拠点生活で得た夫との関係

夫との距離感が前より近い。
今、小学生女子は夫と横浜に住み、保育園児2人が私と清里にいる生活だ。今回夫の実家にまとめて3人お預かりしてもらうという子どもにとっても、親にとっても、向こうの祖父母にとっても、冒険に出た。その間、1週間、夫は清里にいる。現在4日目の朝を迎える。

昨日、小学生よりSOSが入る。
「アトピーの末っ子がばあを蹴った。それなのに、デザート何とか言って調子良すぎ!」
彼女は夫からくれぐれも末っ子をよろしく、と言われているので、お風呂に入れて保湿クリームを塗ったりしているが、なかなか苦戦しているらしい。かなりストレスを溜めている。しかも、義理母も夫のアトピーで苦しんでいたので、脱ステロイド中の末っ子に何もしてやれることがないといって辛そうだ。

思ったより、事態が悪かったので、夫は当然苛立ち戸惑い、「今から一泊で子どものところに行こうかな」とかいう始末。「まぁ行きたいなら行けば良いけど、それが最善なのかな?」義理母を責めることはない?子供を責めることはない?向こうで責められても怒らずに耐えられる?

ちょっとした心の葛藤の後、夫は落ち着いた。

今現在目の前で起こっていることは、ちょっと前の自分の意識がつくった現実だ。
なぜこのことが起きているかは変えられないけど、未来を変えるしかないと私は思った。

自分たちが今楽しいことをしよう!

幸い天気は良く、13:30からイベントの舞の奉納を見る予定がある。それに合わせて出かけることにした。

日差しは強いが、風がある。森に入るとさっと冷える。どこまでも続く稜線と青い空。そんなドライブをしているうちに夫の表情は少しづつ柔らかくなっていた。

神社について、お参りを済ませてぼーっとする。最近はお能の講義を受けてきたらしく、豊富な豆知識を披露してくれる。ちょっと小腹が空いて、甘味を食べようかと誘われたので、もちろん!と抹茶氷を食べる。気づくと実に久しぶりのデートではないか!なんだかウキウキしてきた。

舞の奉納の時間に近づき、知人が来たりして、挨拶した後は、話したりしているとそっとその場を離れ静かに本を読んで待っていてくれたりした。

前なら放っておいて大丈夫かな、イライラしてないかな、とか心配していた。
でも、大丈夫だった。

終わった後は「どうしようか。何がしたい?」と聞いたら、「行きたいって言ってたカフェに行こうか」と答える。なんだ、完璧な回答じゃないか。早速行ったら、久々の素敵な本の数々に夢中になっていた。夫はその間自分の本を隣で静かに読んでいる。私の好きなようにしていることが彼にとっても心地の良い時間だと分かる。

帰りはピザをつまんでから、近くの温泉に。男女に分かれて入った後、ロッカーの100円がないことに気づき、出たところで夫がいて、同じく貴重品を預けようとしてる!「一緒に入れて」「俺のポーチが入らないから別々にしよう」と提案されたが、面倒なので、そのままにしていたら自分の財布をようやくポーチから取り出して一件落着。この時、彼は少しイラッとしていたけど、まぁ私は取り合わない。さっとお風呂に入って、お互いスッキリして出てきてまた気持ちのいい夕方にドライブで帰宅。

私はゴロゴロ、夫は坦々麺を作って、洗濯物を取り込んでくれた。文句も言わず。
夫はご飯を食べながら、私がいかに気持ちよく過ごすために夫が理解していない行動をしていたかということをしゃべる。家を開ける前に徹底的に掃除して、ゴミを捨てて、出て行っていたこととか、朝と帰宅時に窓を開けて空気を入れ替えていたこととか。自分は理解できていなかった、と反省して、私に感謝しているみたいだ。
何というか、最高だ。

こんな日が来るなんて予想もしていなかった。
私はよく夫がやってくれない不満をため、
夫は私がワーワー指示してくることに不満を持ち、
お互い、フルタイムの仕事と3人の子どもの相手に毎日が過ぎていき、
ゆっくり語らう時間もなく、
ましてや相手を労ったり、改めて感謝するなんてことがあっただろうか。

二拠点生活は色々大変だ。
自然相手の、流動的な仕事に慣れるのも大変だし、
保育園児2人のワンオペはかなり苦しい。
それでも、夫が少しいてくれるだけでこの幸福感はなんだろう。
離れたことで、彼の存在感が確実に増している。

お互いを思いやり、じっくりと話を聞く。
それができたら人間って変わるんだな。

また一緒に暮らす日が遠くない日に実現しても、忘れないでおこう。


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