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未熟すぎる25歳が思う、スタートアップに必要な人材とは
酔っています。いま、お酒に酔っています。
非常に危険な状態でして、電車に揺られながら取り急ぎ新宿に向かっているわけですが、その電車の中で「ああもう乗り過ごしたって構わない」と思ってしまっているわけです。
はい。
本題、
私はスタートアップという企業に惹かれています。
ビジネスモデルとしては、現状の課題を埋めるもの、既存であるものを破壊するもの、
その役割は様々あると思いますが、その心意気が大好きです。
既存であるレールを走るのではなく、レールを作る側になるということ。
チームとして、「これで失敗したら路頭に迷う」という責任を背負ってワークすること。
ひとつの職種を専門的に、というより、会社として現時点で補わなきゃいけないことを担当すること。
決められた枠の中での期待より、
それを超える何かを期待されていること。
大手企業で異動の可能性がある上司より、
「この人と働きたい」がある一定期間は叶うこと。
そして何より、
「自分がなんのために働くのか」に大きく共感をして、
それが大事だという価値観を持った人と愚直に未来を作っていけること。
それが何よりも、何よりも魅力的だと思うわけです。
一緒に働く人のスキルがどうだ、経験値がどうだ、
よりもずっと、
スタートアップが初動で大事に決めた理念やビジョンに、ただただひたむきに共感し、
どんな辛い瞬間も、踏ん張る瞬間も、
どんな形でだっていいから、「一緒に」未来を信じて走ってくれる人。
これに、異論ある人いる?
最初から関係構築をしなきゃいけない間柄だとしても、少し若すぎてスキル面で至らない点があるとしても、上記に勝る条件なんてある??
そう、思うわけです。25歳、冬。
■スタートアップでの経験が、私の今を作っている
pa○keという沖縄発ITスタートアップベンチャーで、大学4年~新卒入社までを過ごしました。
沖縄でのメーカー導入実績はありながら、拡大に必要な東京実績はゼロだった上に、
営業としてまず会ってもらうために有効なトークスクリプトもリストもなかった。
代表と3人。
まさに、1個間違えればフルコミットをしているメンバーが路頭に迷う状態。
なんの正解もなければ、そもそも「にわとりたまご」の世界で、どこからこのサービスを拡大していけばいいのか、そこから手探りの時期だった。
「社会に出る」ということが初めてだった私は、自分の仕事スタイルやコミットメント度合いもわからないまま、
とはいえ掲げるミッションやメンバーの生活への責任は大きい状態だということを認識しながら、インターンがスタートした。
最初は誰も正解がわからないまま、個々人の成功もないまま模索をする日々が続く。
私は営業というミッションを持ち、本サービスを導入する先(飲食店などスモールビジネス~小売店~大手メーカーまで)にひたすらテレアポを繰り返す日々。
そんな中、実績はない、魅力付の仕方もわからない、お客さん側が何を求めてくれるかわからない、仕事のhow toもわからない状態で、
だんだんと少しずつではあるが、自分達なりの答えが見えてきた。
■ミッションを掲げる側の覚悟
私よりもずっと。インターンという立場で恵まれていた人よりもずっと、
大きなビジョンと覚悟を、代表陣はもっていたと今では深く思う。
当時は、一緒に併走しているつもりだった。このサービスをグロースさせて、ファンになってくれる人を探して、肩を横に並べて、アポの一つひとつを喜んでくれているものだと思っていた。
でも、徐々に資金調達というミッションを代表が掲げて一緒の時間を過ごす時間が減ってからは、
明確に、私たちのミッションは違うし、見据えている景色が違うのだと思うようになった。
目の前のアポと契約、サービス利用者の増加を会う私の視座と、
一年後十年後、自分たちのサービスを全世界の人達が利用し、「わからない」がなくなる世界を作る未来を描いている彼らの視座。
彼らは、天才だった。
凡人にはわからない世界を、ひたすら脳内で描いていた。
そんなある日、二回ほど事件があった。
この会社が向かう方向性を、私が徐々に、でも確実に分からならなくなってきた時。
「私達は一緒に走ってきたのに」どこをゴールにして、どこをミッションにして走っているのか、分からなくなっていた。
とはいえ最初から、全ての方向性が示されていた訳では無い。
ただ、方向性が一緒にいることで分かち合えていたはずの時間が失われることで、
・一体、いま、何がこの会社にとって最重要事項なのか?
・目先の契約をとる、という視座は果たして現状大事なのだろうか?
・私は、この会社にとって必要な未来を描いて形にできているのだろうか?
が見えなかった。
いわゆる典型的な、「コミュニケーション不足」だった。
大好きな人達の役に立てているのか、見えなくてひたすらに苦しかった。
ある日開催された、メンバー飲み会で、それが溢れ爆発。
代表陣に向けて、上記の思いをボロボロに泣きながら伝えた。
どこに向かってるんですか?私たちの目指してるゴールは一緒ですか?今私が考えている戦略は本当に価値があるかわかりません、と。
丁寧に、丁寧に、ひとつひとつのゴールが欲しかった訳では無い。
それは全く違くて、ただ純粋に、
「同じ重さの覚悟」を、一緒に背負いたかった。
一緒に背負ってるものだと思っていた。
その覚悟のためなら、どんなに身を削っても構わなかった。
実際、過食症になって夜な夜なコンビニをクレイジーに渡り歩いていた。(これは、誰も望まなかった結果だと自覚しているけど)
「会社が向かう方向性が見えない」が故に、一緒に走れてない気がする、自分のミッションがイマイチ分からない。
この経験は前職でもあって、それを突破するべく社長にアポを取って直接談判しに行った。(直属の上司に一切相談せずだったので、事後めちゃくちゃ怒られた)
一組織人として、
向かう方向性が見えなくなることからくる苦しみはとてつもなく大きいということを実感した。
ただ、その経験があったからこそ、
「日々楽しく働くための」コミュニケーションの在り方や組織のあり方に非常に興味を持つことが出来たので、今は貴重な経験をしたと思っている。
■今でも思う、同じ方向性に貪欲に向かうことの魅力
泣き腫らした翌日から、少しずつ色んなことが晴れて行った。
会社の全体像や進捗が、少しずつ全体開示されてきて、(とはいえ、沖縄含めメンバー6名くらいだっただけど)
自分がミッションとして掲げていることへ全力を注ぐことに、なんの迷いも持つことがなくなった。
そこから徐々に、契約がとれてきて、
まさかと目を疑う大手メーカーのアポや契約も獲得し始めた。
お陰様で、自社にて過去最高の契約数と契約先を獲得し、後に引き継ぐことが出来た。
もちろん、苦しい時期に積み重ねた「自分達なりの答え探し」が、自分たちよがりにならず、
「お客様にとって、どうなのか」目線で捉えることが出来ていた点。
自分自身が、一営業マンとしての仕事の仕方を掴んできた点。
様々な要因が上手く絡んだと思っている。
今思えば、
joinを決めた理由は、非常に単純だった。
「新卒で社会に出る前までに、力をつけたい」
だけど、一緒にワークする中で、
彼らがお客様に伝える熱いビジョンや世界観に強く共感し、そのトークを録音し毎日帰り道で聞いて反芻する程に、それを私自身が叶えたいと思っていた。
そのビジョンを熱く、楽しくお客さん先に話す彼らが、そうやってファンを着実に増やしていく彼らが
本気で大好きだった。
今振り返れば、そのビジョンに対する自分の原体験はなかったものの、私は彼らの熱意に惚れ込んでいた。
今思う。
前職を退職した理由にも繋がる。
原体験を持つ自分の働く理由こそが、自分を本当に強くするのだと。
結果、それこそが会社への貢献に深く比例するのだと。
逆に、それなしにワークし「続ける」ことは、
スタートアップの初動では難しい可能性が高いこと。
特に、明確なコアスキルを持っていない若手ほど。
正直、難しいことはわからない。
こんなことを言いながらスタートアップを経営したことがある訳では無い。
給与や人生そのものを、スタートアップに捧げた経験もない。
でも、一ソルジャーとして、
心身ともに費やして、本気で自社が花開くことを願ったあの時期に感じたことは、決してその時だけの学びでは終わらないと思っている。
■自分たちのミッションに、心から共感する人たちの貴重さ
ここまでツラツラと、実は未だに酔いながら書き続けたことの結論は、ここにある。
(やっと家に着いて甘いものを頬張ってるなう)
どんな懸念があるとしても、どんな関係性(雇用形態や関わり方)をイメージしていようと、
自分たちのミッションに心から共感する人たちは、どのような形でも関係性を紡いでいくべきではないだろうか、と。
自分たちが届かない範囲まで、自社の価値を届けてくれる人。
共感してるからこそ自社が大変な、いざという時に、力を貸してくれる可能性のある人。
思いがけない出会いと、機会をもたらしてくれる人。
どんな出会いが、どんな結果をもたらすのかは誰もわからない。
ふとした偶然が、人の人生を大きく変えることだってあるし、いくつか経験をしてきた。
人とは一期一会だと分かっていながら、本当に大事にできている人は少ない。
そして人は当然ながら完璧じゃない。
だけど、誰が、どう応援してくれるかによって、
将来が大きく変わるスタートアップでは、むしろそこを大袈裟な位大事にしていきたい。
本当に、いま理念に共感してくれる人達、且つ実力や実績がない人達を、
「今軸」のみで判断してもいいのだろうか?
特にミレニアム世代と呼ばれる「これから」の人達を、今軸で判断しきることなど出来るのだろうか?
必ず、世代は移り変わる。
時代を作っている今の世代は必ず古くなる。
また、新しい価値観が生まれる。
「今」だけを重視している人に、
世代を超えた革命的なサービスなど生み出すことが出来るだろうか。
そこに、稚拙ながら、あるスタートアップメンバーの限界を感じた。
「人の可能性を、きっかけを作ることによって最大化する」
そんなビジョンを掲げる会社にこそ、
自分たち自身が、その可能性を信じていける存在でありたい。
もし私がそんなビジョンの会社を作るとしたら、きっとどうにかしよう、と思えた出来事でした。
あ、あと、取り繕った結論は、逆に相手を苦しめることも。誠実さって、どこにあるんだい?
肝に銘じます。
と、いうことで、甘いものはやっぱり美味しい。
喉が詰まってきたので、飲み物を飲んで歯を磨いて、今日はゆっくり寝ます。
おやすみなさい。