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【破産者Beeの逆襲】役満養分の自分史を振り返る〜❼勢いでハウスクリーニング脱サラ開業して半年で廃業した話

破産者Beeの経歴・失敗談を振り返るシリーズ第7弾
パワハラ・うつ病から復職して2年
辞めたくてしょうがなかった会社を晴れて飛び出し、
「いよいよここから人生変えてくぞ!」
と意気揚々とハウスクリーニングを脱サラ開業したBee。
しかし、現実はそんなに甘くなかったのでした…
※時系列的には前回記事と同じ頃です。

前回の記事はコチラ↓


社内ニートの野望

うつ病から復職後、上司とはお互い部署も変わり、
僕は技術職から事務作業の部署へと異動になりました。
過去の見積書を、少しだけ数字を変えて、あとはコピペして上司に送るだけの単純作業。
あまりにも退屈だった僕は、勤務時間中にネットサーフィンしまくって
時間を潰していました。
いわゆる”社内ニート”ってやつですね。
そのくせ、会社を辞めたくて仕方がなかった僕は、
インフルエンサーの影響からエンジニアになろうとするも挫折してしまい、「これからどうしようかなー」と悩んでいました。

※ちなみに、会社員時代、周りの先輩方からほとんど注意されませんでしたが、今考えると見捨てられてたんでしょうね。パワハラはダメですが、怒られるうちが華というのは真実だと思います。

そしてインフルエンサーたちが皆経営者として働いていることから、
「エンジニアになっても結局雇われる側」
「僕も起業して雇う側になりたい!」
という気持ちが強くなっていました。

※「なにをとち狂ったこと言ってんだ?」って話なんですが、やっかいなことに、当時の僕は転職ではなく起業、つまり自分も社長になることで頭いっぱいだったんですね。もっとも、今の僕の生活を考えると、転職しなかったのは正解だったかもしれません。

3年で年収1,000万円

そんなある日、大学(※例の宗教大学です)の同期が卒業と同時に起業したという話を思い出し、「話だけでも聞いてみたい」と、ほかの同期から彼の会社名を聞き出して、会社のHPから連絡しました。

すると、ものの1時間で電話がかかってきて、
応募したのが僕だとわかると「懐かしいな〜」と昔話に花を咲かせたのも束の間、僕が起業したい話を伝えると、

「ちょうど数ヶ月後、俺の会社でサラリーマンが未経験からハウスクリーニングを開業できる、”脱サラ支援研修プログラム”をローンチする」
「起業したいなら、その研修プログラムを受講しろ」

1年目は集客を会社にお願いして、自分はスキルアップを優先
2年目以降は自力での集客にも取り組み、
3年目で自分で集客できるようになれば、年収1,000万も狙えるし、
そうなったら独立して法人化すれば良い。

要は「ハウスクリーニング版テ⚪︎ク:キ⚪︎ンプ」を自社で始めるから、僕に実験台になってくれって話ですね。
当時の僕は「今の会社を辞めたい」「借金あるけど起業したい」という思いで頭いっぱいだったので、願ってもないお誘いでした。

その後とんとん拍子に話はすすみ、
2021年6月、僕は晴れて、
彼の会社の"脱サラ支援プログラム"の受講生第1号になりました。
研修でエアコンクリーニング、空室クリーニングのスキル研修も進めながら、
同時に彼の会社と業務委託契約を結んでクライアントの案件も紹介してもらうことになり、夏の繁忙期を狙って会社を辞め、念願のハウスクリーニング業を開業しました。
辞めたくて仕方がなかった会社を離れ、人生をかけた挑戦が始まった…のですが…

時間単価60円未満の市場価値

意気揚々とハウスクリーニング業をスタートさせたBeeですが、
開業早々、致命的な問題が発生しました。
僕はめちゃくちゃ手先が不器用で、エアコンを分解・洗浄すると壊す、というトラブルが続出したのです。
加えて、もともと面倒くさがり屋だった上にうつ病時代掃除をすることもなかったため、僕の仕事内容が、求められる”汚れを取る”"キレイに掃除する"の基準を満たせてなかったのです。
※一応言っておくと研修に不備があったわけではありません。

当然、僕がクリーニングしたお客さんから

「エアコンが動かなくなった」
「冷えなくなった」
「変な音がする」
「汚れが全然とれてない」
「水が垂れて壁紙が汚れた」

とクレームの嵐が巻き起こりました。
低評価の口コミが殺到し、訪問先のお客様からの叱責はもちろん、
クライアント、そして同期の社長以下、会社の先輩方からの信用は
あっと言う間に地に落ちました。

※本当に「なんでそれでハウスクリーニングやろうと思ったの?」って話なんですが、エンジニア転職しようとした時のように、とにかく「稼げる」という話に飛びついているだけの状態でした(エンジニア転職も同じ理由で投げ出したのに…)。

委託されたエアコン、空室クリーニングの合間に、
研修プログラムのカリキュラムを受け、
毎日のように押し寄せるクレームに対応して、ここに移動時間を含めれば、月300時間は働いたでしょうか。
※ちなみに、この時期に詐欺師と出会ってバカラにも時間とお金を浪費ししていました(前回記事参照)。

働いたといっても、研修は当然お金発生しませんし(むしろ払う側)、
クレームから修理・弁償ともなれば、
その費用は全て委託料から差し引かれました(そういう契約です)。
そうして開業から5ヶ月経って、僕のところに入金された委託料は、なんと1万7,000円ぽっちでした。
ここからレンタルバイク代にガソリン代、洗剤・機材代…
考えるまでもなく赤字です。
近くのコンビニでバイトしたほうがマシでしたね。

年収1千万超えのはずが、300時間以上働いて月収1万7千円。時給にして60円以下…

そして、クリスマスもせまった年の瀬、僕は社長から
「ここまで耐えてきたけど、もう限界」
「お前(Bee)に任せられる仕事はない」
と告げられ、3年ごとに更新だった業務委託契約を年内で打ち切られました。

ちなみに、後で知ったのですが、社員さんからは
「一刻も早くBeeを切れ!」の大合唱で、
それを社長が同期のよしみで社員さんたちを必死に抑えて、
なんとか僕に仕事を回してくれていたようです。
僕の更生を信じて待ってくれていたようですが、
残念ながら、僕の仕事ぶりがお金を貰えるプロレベルになることはありませんでした。

ハウスクリーニングを開業して、わずか半年でのスピード廃業となりました。
「会社の看板に頼らない!」と飛び出した結果が、時給60円未満…
自分で蒔いた種とはいえ、さすがに惨めな気持ちになりました。

当時を振り返って

もうね、自分で書いてて反省点しか出てこないです。
まず、借金がある状態で正社員辞めんなって話です。

どんなに会社辞めたくても、
せめて副業としてハウスクリーニングを始めて、
半年くらいはとにかくスキル習得と借金返済を進めて、
「これならハウスクリーニング1本でやっていけるな」
と分かったタイミングで脱サラすればよかったのです。
…まぁ、当時からこのくらい冷静にリスク計算して行動していたら、
そもそも自己破産までいかなかったでしょうね。

それに、当時の僕はマ●なり社長の信者だったこともあり、
さらには大学同期からのお誘いということでと
「これは運命の再会だ!」と舞い上がってしまい、
「起業・脱サラ」ありきで話を進めて、
そもそもハウスクリーニングという仕事が自分に適性のある仕事かどうかを全く考えなかったのです。

そもそも、手先の不器用さを自覚していたのなら、
研修以外の時間にも人一倍努力して、
寝る間も惜しんでエアコンの分解・清掃・組み立てや空室クリーニングを練習しなければならなかいはずですが、
勤務時間中にネットサーフィンで時間を潰していた社内ニートは、
そういう泥臭い努力から逃げてました
スキマ時間にやっていたのは、やはりネットサーフィンとバカラでした。
コツコツ努力できない弊害が、ここでも出ています。

さらにご丁寧なことに、
会社を辞めてすぐ開業届を提出したので、失業保険も貰えませんでした
とにかく会社を辞める理由が欲しくて、
マ●なり社長など、ネットの世界でインフルエンサーが見せてくれるキラキラした部分だけを見て、
「よーし僕も社長になるぞ!」と言ってる状態だったんですね。
そうして、努力しないのに意識だけ高かった僕は
「これからはハウスクリーニングで食べていくんだから」
「すぐに年収1,000万円超えるから」
「もう会社員じゃないんだ!」
稼げるイメージだけが先行し、会社を辞めてすぐに開業届を出しに行きました。
「会社の看板に頼らない」ということは、
「稼げなくなったら場合の収入源・補償も自分で確保しないといけない」
ということなのですが、そのへんの対策は一切やらず。

ネットサーフィンで時間を潰していた社内ニートが、
会社を辞めた途端、ハウスクリーニングで大活躍!
…そんな漫画みたいなこと、起こるわけないだろってツッコミ入れたいです。

仮に本当に脱サラして稼げるとしたら、サラリーマン時代からコツコツ努力して、周囲からも期待されて重要な案件を任され、実際に成功させるくらいの実力と胆力が必要だったと思うのですが、そういう現実からは目を背けてました。

FXと同じです。
行動する前から「稼げるに決まってる」「うまくいくだろう」と"皮算用"していたのです。

そうやって退路を経って、ちゃんと努力できるタイプなら良かったのですが、
残念ながら、コツコツ努力せずになんとかなってきた人間は、会社を辞めるとますます努力しなくなりました。
もう学生の頃のようにはいかないと薄々気づいていながら、破滅の時を迎えるまで、自分を変えることができませんでした。
そりゃあ、時給100円すらも切るわ、と我ながら思います。

〜〜〜〜〜〜
こうして、脱サラから半年で廃業に追い込まれ、
どん底まで堕ちた僕には、いよいよ自己破産しか残されていませんでしたが、
その一方で、本当の救いの手が差し伸べられました。
。。。次回(第8弾)に続きます。
続きはコチラ↓
https://note.com/beecounterattack/n/n15bddae7750c?sub_rt=share_pw

◎Beeのしくじりポイントまとめ
・自分への適性を見極めず、インフルエンサーのキラキラした発信内容だけを見て、見切り発車で会社を辞めた。
・多額の借金を抱えた状態で定職を辞める選択をした。
・失敗した時、収入が伸び悩んだ時のセルフ・セーフティネットを作っていなかった。
・人生をかけた挑戦にも関わらず、努力・行動が全く足りなかった。
・教えを乞う立場でありながら、先輩たちから何も吸収しなかった。
・脱サラして通用するには、まずは会社で重要な仕事を任されるくらい周囲から信頼され、成果を上げるくらい努力してないといけなかった。
・社内ニートが脱サラしていきなり活躍できるわけがなかった。
・「会社の看板に頼らない」と口では言っていながら、実際には時給が発生しているサラリーマン感覚から抜け出せなかった。
・ただただ日常の苦痛から逃げたいだけだった。

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