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進む円安

2024年6月26日、ドル円は1ドル160.10円を記録しました。この水準は1990年4月17日の160.07円以来の高値であり、さらに過去にさかのぼると1986年まで遡る必要があります。当時の1986年、日本はバブル経済に突入しつつあり、為替の動向は現在とは逆で、急激なドル安が進行していました。


1986年、日本経済は「トリプル・メリット」と称される環境下にありました。具体的には、ドル安、原油安、そして金利安が同時に進行し、日本の企業利益を押し上げました。ドル安と原油安はエネルギーの輸入依存度が高い日本にとって、企業のコスト削減と利益拡大に寄与しました。また、金利安は不動産投資や設備投資を促進し、好景気の原動力となりました。


一方、現代の日本株式市場では円安が買い材料とされ、インフレーションが株式市場の参加者から歓迎されています。このように、株式市場における「買い材料」は時代とともに変化し、一定の法則性がないことが示されています。


さらに、現在のアメリカの平均賃金は日本の約2倍に達していますが、1980年代後半には日米の賃金格差はほとんど存在していませんでした。

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