スリップビートの奴隷

音楽に関することを記事にしていきます。

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最近の記事

バクのコックさんについて

バクは日本に伝来した際に夢を食べてくれる霊獣として崇められ、悪夢を見た後は「獏食え獏食え」など唱えられていた。 「バクのコックさん」という言葉の「の」の助詞の捉え方によっては、バクがコックさんであるのか、バクの為のコックさんであるのか意味が分かれるが、歌詞の内容として後者であることが分かる。 イントロは16分で手数多く展開されるが、スリップビートや符点8分を使うことで、ハネたようなフワフワしたような、夢を見ているようなメロディーが展開される。 雨振る夜は一人きり 消えてし

    • 心が雨漏りする日にはについて

      中島らもの著書の名を冠した『バズマザーズ』の本曲は同アーティストの中でも屈指の名曲となっている。私のバズマザーズの好きな曲5傑には入るだろう。 ちなみに中島らもの著書『心が雨漏りする日には』はうつ病(躁鬱)と闘うエッセイとなっている。山田亮一氏も躁鬱だと語っていた。その苦しみを表現した曲となっている。 この曲は兎にも角にもキラーフレーズが多すぎる。メロディーもシャッフルビートにしては少し重ための、後ろノリな曲なのだが、それが歌詞に相まって素晴らしい名曲たらしめている。

      • 夜の街を彷徨う山田亮一氏の曲たち

        ハヌマーンやバズマザーズを聞いていると、夜の街を彷徨っている描写が散見される。私はこのテイストの曲がとても好きだ。 これらの曲を、夜1人「鼓膜につけっぱなしの装置」で聞きながら「現実MV化」したい。 特にワンナイト・アルカホリックはピカ1だと思う。 CDJのMOON STAGEの映像か、寺田町ディスクでライブ演奏が聞けるが、入りのギターと「演奏ハヌマーンで、『ワンナイト・アルカホリック』」というセリフだけでテンションが振り切れる。 日暮れ路面電車に飛び乗って 現実逃避を図

        • 若者のすべてについて

          『若者のすべて』と聞くと、恐らくフジファブリックの方を思い浮かべる人の方が多いだろう。フジファブリックの『若者のすべて』は言う迄も無く名曲中の名曲で、歌詞に「あなた」というワードが一切出ず、ボンヤリとした、曖昧な、正体不明の寂しさを上手いこと表現している。 ハヌマーンの『若者のすべて』はと言うと、どんどんと進んでいく周りの人たちと比べ、どこか自分が取り残されているような、そんな誰もが抱いたことのある感情を上手く表現している。こちらも名曲であることは間違いないので、その歌詞を

        バクのコックさんについて

          アパルトの中の恋人達について

          ハヌマーンのアルバム『REGRESSIVE ROCK』に収録されている、『アパルトの中の恋人達』は既に多くのサイトで考察されているとおり、アパートに同棲している男女のすれ違いを描いた名曲だ。 同アルバムは解散を機に出されたアルバムであるにも関わらず、捨てる曲が一切なく、あのまま活動していたならば、と強く思わせるアルバムで、最後の曲『17歳』を聞き終わるとなんとも物悲しい気分になってしまう。 そんな名盤の中の『アパルトの中の恋人たち』は邦楽ロックの中でも名曲と挙げられる機会

          アパルトの中の恋人達について