見出し画像

生殖技術、子供を持つということ。

2017年のこちらのニュースをご存じでしょうか。
プラスチック製「人工子宮」でヒツジの赤ちゃんが正常に発育

1990年代に世間を騒がせたクローン羊のドリー。
人にも応用されているとか、されていないだとか、都市伝説としても発達し、”クローン”という題材は創作物の世界ではもはや定番ですよね。

生殖技術の分野では、2022年4月から不妊治療が保険適用となり、命のテクノロジーが一般化して、一層注目を浴びています。

日本国内に暮らしていると「医療レベルは高い」という思い込みを持ってしまいますが、実は先進国の中で体外受精による出産率は圧倒的に低い。
ですが、素人の私が”技術が低い”と言いたいわけでは決して無く、この結果には、不妊症の知識の低さから治療を開始する年齢が高いことや、治療の選択肢の広さも関わっているのではないかと推測されます。

話は戻って、羊の「人工子宮」。
人間にも適用されれば、早産児のケアにも有効なのでは?という議論がなされているようですが、行きつく先は体外受精を超えた”体外妊娠”なんじゃないかと…(あくまで素人の妄想の範疇です。)

徴産制」という小説では、疫病で女性が激減した近未来、生殖技術の発達により男性も妊娠し出産できる…という世界観で、”性とは”という問いかけがなされていました。
もしも女性が自分の子宮で子供を育てる”以外”の選択肢が一般化したら、出産・親子・血縁・家族の価値観はどう変化するのか。「人工子宮」の実用化が現実的になってきた折には血縁関係に保守的な、不妊大国の日本人はどう行動するのか。

同性婚や同性カップルによる里親、不妊の異性カップルの養子、超高齢化少子化時代において既になされている「家族制度」に関する議論は、テクノロジーが文化に与える変化によって転換期を迎えるかもしれませんね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?