男の子と坂道とボール
男の子が坂の上に住んでいた。
男の子は散歩は好きだったが、散歩の帰りが嫌いだった。
坂道を登るのが大変だったからだ。
ある日、お父さんとキャッチボールをしていると、ボールを取れず、ボールは坂道の方に転がっていった。
男の子は、待てーと追いかけた。
ボールは、坂道の下まで来ると、不思議なことに、今度は坂を転がり登っていった。
男の子は、また、待てーとボールを追いかけた。
坂の上にくると、ボールは、坂を下りはじめた。
男の子は、また、待てーとボールを追いかけた。
そうして、ボールを追いかけ続けてると、
男の子は、疲れてしまい、座り込んでしまった。
すると、ボールが男の子の方に向かってきた。
近づいてくるとボールじゃなかった。
ボールのように丸々とした子犬が、ボールを咥えていた。
子犬は、心配そうに男の子を見た。
男の子は、ありがとうと、子犬をさすりながら、ボールを受け取った。
子犬は、男の子に飼われることになった。
男の子は、散歩がもっと好きになった。
子犬と一緒なら、坂道をあがるのも、へっちゃらだからね
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