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静岡には良いところがいっぱいあると思うけど浜松駅だけで楽しかった話:①楽器博物館
※この記事には浜松市楽器博物館のネタバレが多数含まれます。心からまだ見ぬ楽器博物館を楽しみたい方は、読まないことをおすすめします。
◆なぜ静岡に行ったか
先日、所用で日曜日に関東に行った。終わり時間が読めず、家に帰る最終の新幹線に間に合わない可能性があったため念のためホテル(と有休)を取ることにしたのだが、横浜で一泊して朝の新幹線で帰るのはどうも味気ない。そこで、静岡で一泊することに決めた。
以前から「さわやか」のハンバーグをどうしても食べてみたいと思っていた。しかし、静岡出身の後輩から「休日はまじで待ちます。ほかの予定との調整が結構難しいですよ」と聞いていたため、「さわやか」のためだけに静岡に行ける暇な平日がないかと前から機会をうかがっていたのである。「今だ」と思った。
調べたところ、新幹線が停まる駅から考えて、浜松遠鉄店がいちばん都合がよさそうだった。
開店時間は11時。深夜に浜松駅に着くため、早起きは無理だなと思っていたが11時はさすがに余裕だ。お店の近くのホテルを確保し、完全に「さわやか」のことだけを考えて動いた。
そして、朝10時30分にホテルを出て意気揚々とお店へ向かった。「え、これ絶対開店前につくわ。即入店なんじゃない?」などと思いながら。
しかし――結論をいうと、2時間待ちであった。
これは完全に私の調査ミスなのだが、開店時間は11時でも整理券の配布は10時から始まるらしい(2024年5月時点)。開店10分前に着いたのでは完全に出遅れている。
ぬかった――
とはいえ2時間ただ放心しているわけにもいかない。
私の短所は計画性がないことで、長所は計画が破綻するのが平気なことだ。
2秒で切り替えて時間をつぶせるスポットを探した。
◆浜松市楽器博物館へ行く
その日の静岡は大雨だった上、2時間では有名観光スポットに行くには短い。
しかし浜松駅にはちょうど良さそうな施設が二つあった。
科学館と楽器博物館である。
どちらも興味深かったが、楽器博物館のほうが大人1人で入りやすそうだったためそちらに向かった。
ちなみに、楽器は全く向いておらずなにも得意ではない。
博物館はこじんまりした雰囲気で、入口から見る限りそんなに大規模ではないな、と思った。
入館料も安い。単なる時間つぶしですごく見たいものがあるわけではないのでこれはありがたかった。
そうしてなんの志もなく入館。
入り口にはさっそく大きな赤と金のゴンドラのようなもの。ミャンマーのサイン・ワインと書いてある。
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楽器というより、これで一つの楽団ということらしい。びっしりと施された細かな装飾はずぶの素人にも祭礼をイメージさせる。
その横からは可愛らしい丸っこいモチーフが施された韓国の楽器たち。
![](https://assets.st-note.com/img/1717867026009-iZBXxGw8hG.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1717897132981-akfQZwCsn4.jpg?width=1200)
さらにその奥にアジアの楽器たちがずらっと並ぶ。
某歌劇団の衣装展示にも負けない絢爛さだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1717897358667-1RpWBiZOx9.jpg?width=1200)
そうか。忘れていたが、楽器は実用品であり、美術品でもある。
ピアノを7年習っていたがコツコツ努力するのが苦手で全く上達せず、「金をどぶに捨てた」と親に言われるほどの人間にも、意匠はやさしい。
最初は結構失礼なことを思ったにも関わらず、2,3歩で心を奪われた。
あと、これも入館してすぐわかるのだが、この博物館はただ珍しい楽器を並べているだけのやる気のない博物館ではない。
「しかしこの楽器どんな音がするのか全く想像できんな」と思うような楽器の足元にはヘッドホンがあって、その楽器を使った演奏を聴くことができるのである。多少音楽に興味のある人間なら、おそらく全部のヘッドホンを装着してしまうことだろう。
そして私は気づいた。
――この博物館、めっちゃ時間溶けるな…
「さわやか」の待機には少し難しい点があって、整理券に記載されている時間より早くに自分の順番が来る場合があるのだ。店員さんからも「webの待ち時間を適宜確認してください」と事前に説明されている。当初2時間だった待ち時間が1時間半に変わっていた。
それに、省スペースに見えた博物館だが、かなり奥行きがある。しかも地下にも展示がある。
地下はもう、夥しい数の楽器で埋め尽くされてされている。
割となじみのある管楽器、弦楽器は通り抜け…られず。植物や動物の骨で作られた楽器たちには目もくれなかった…わけもなく。
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そしてもう結構満足したところで、怒涛の鍵盤楽器コーナーに。
やっぱりというかなんというか、鍵盤楽器ってすごい。終わらないの歴史が。
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しかも、昔ドラマ「ハンニバル」で見た輪切り人体標本を彷彿とさせる展示があって、ピアノの音を出す仕組みがどう変わったのか実際に鍵盤を触って確認することができる楽しい仕掛けまで。
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あぁ、でも「さわやか」のハンバーグが…
もう後半は常に頭の片隅にハンバーグがある状態で地下展示を堪能し、ちょっと1階奥の日本の楽器コーナーと電子楽器コーナーは早歩きで抜けさせていただいて、
最後、もう本当に最後に控えているのが、体験コーナーである。
伝わらないかもしれないが、こちらは1時間以上楽器の世界に浸っていて、全然才能ないと知っているのに「イングリッシュギターって何円くらいするんだろう」とか思い始めている。
そんなの、絶対にやりたい。
私は走った。楽器博物館から「さわやか」までの道のりを。呼ばれるまで、あと4分。