#Ruby超入門 のかわいいキャラクターたちが生まれるまで
この記事は『ゼロからわかる Ruby 超入門』のイラスト担当による裏話です。
イラストを担当したべこと申します。普段はフリーランスでキャラクタークリエイターやフロントエンドをしています。商業誌のイラストはこのRuby超入門が初めてでした。
この本は、著者の五十嵐さん、松岡さんが大学での講師経験をもとにプログラミング言語「Ruby」を丁寧に解説した書籍です。
このイラストにまつわる記事を書くきっかけとなったのは『数学ガール』著者の結城先生からリクエスト(?)でした。
こういう「メイキング話」はまとめて欲しさあります。映画の「設定資料集」みたいに。レア感があるのと、背後の苦労と楽しみが見え隠れして個人的な親しみがわく。#と言うだけ言ってみる
Ruby超入門をイラスト側からの視点で紹介してみたいと思います!
キャラクターの初期ラフ
さかのぼること8ヶ月前に書いたラフがこちら。 暗い色味と明るい色味のものを作りました。iPad ProのIllustrator Drawで描いています。
イラストはあくまで読者さんの理解をサポートする存在であること、書籍のデザインから浮かないようにすること、の2点を意識し、最終的にはもっと色は薄めで色味は2案の中間くらいを意識したものになっています。
キャラクター=オブジェクトさん
やりとりはSlackで行なっていました。
キャラクターの形状は私から提案したものもあれば、著者さんからのリクエストがあって描いたものもあります。半々くらいだったかと思います。
やりとりはオブジェクトに対して「さん」づけで呼んでおり、ほのぼのとした Slack だなーと個人的に感じていました。大人たちが、丸っこくてにこにこしているキャラクターを「さん」付けで呼び、ああでもないこうでもないと討論している風景、なんだか良くないですか?笑
手書きラフは、クロッキー帳にフリクション(消せるボールペン)かジェットストリーム(書きやすいボールペン)で描き、スキャナアプリで撮影しデータ化し、それを Slack の design チャンネルにアップするというやり方でやっていました。
イラストデータの再利用
イラストは Adobe Illustrator 形式のデータになっています。Photoshopのようなペイントツールで描くデータとは異なり、線や塗りが簡単に分割できるデータです。(正確に説明すると長くなるので省略させてください…)
この形式、再利用しやすいので、私が元となるキャラクターやパーツを作成した後、デザイナーの方に別のイラストに組み直して使ってもらっている箇所があります。
一例として「popビューン」がそれです。元の Array オブジェクトさん(水色で足がたくさんある子)のイラストは私が作っていますが、文字列オブジェクトさん(四角くて薄オレンジの子)が飛んでいる様子はデザイナーさんが作成しています。
popビューンに言及していただいたぷぽさんの記事はこちらです。
「ゼロからわかるRuby超入門」は本当にはじめてのプログラミングに適しているというお話 - すむとこ探し
表紙・裏表紙
当初は表紙にキャラクターたちが登場するという話はなかったのですが、表紙のラフがあがったタイミングで担当することになりました。
表1(表表紙)の内容は編集者さんの提案を受けて書き起こしています。
タイトルなどがはっきりとした色なので、それに合わせて主線の色も本文のイラストのより濃い目になっています。
表4(裏表紙)の内容は、表1を店内とするなら表4はお店の外だな!と考えてラフを描きました。
本の概要があったのでスペースが狭かったため最終的には女の子だけになっています。
自分のアイデアがボツになったときに人はおそらく残念な気持ちになるのだと思うのですが、私はあまりそういう気持ちにならないです。今回の状況では合わなかっただけですし、一番の目的は仕上がりを一番良いものにすることなので。。!
告知の画像
Twitterのアカウントの背景などに使える告知バナーについては、著者さんへのサプライズでこっそり作成しようとしていました……。ですが、告知についても作業の依頼をいただいたのでサプライズ計画はなくなりました。(笑
ラフの方はシェアしていませんでしたが、一応バナーもレイアウト決めで手書きラフを描いていました。中央に書籍名と発売日が来るようにしています。なぜかというとOGPで画像が表示された時に左右が見切れることがあるからです。
バナーの他に、カウントダウン画像も作っています。
発売日当日のものだけ微妙に表情が違うスペシャルバージョンでした。
Ruby超入門にイラスト担当で参加してみて
自信を持って「かわいいキャラクターが描けました!」といえるものができました。文字通りの自画自賛。
この記事を書くために振り返ってみたところ、単に依頼されたものを描くだけではなく、あれこれ提案させていただいたり自由に描かせていただいていることがわかりました。本当に恐縮です……!素直な感想として、めっちゃ楽しかったです。「あー、またこういうお仕事こないかなー」と思っています。
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技術評論社 https://gihyo.jp/book/2018/978-4-297-10123-7
関連リンク
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著者の igaiga さんによる記事
著者の machu さんによる記事
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