「地域いろいろ」こども園をつくる仕事をしています。vol. 47
こども園推進課に来てほぼ4年が経ちます。
公立の幼稚園・保育園を、公立こども園に整備したり、法人移管してこども園にする民営化を担当して、10いくつかの地域(小学校区)にお伺いして、協議をしてきました。
こちらからは市の方針を説明し、保護者や地域住民の方々のご質問やご要望を受けて、それに対する答えや対応策をお示しして…ということをしてきました。
できるだけのことはするものの、制度や予算、他の地域との兼ね合いで、できることできないことがあります。
それは丁寧に説明するしかありません。
「なんでてきんのじゃ?」
「できんのなら最初から聞くな。」
「役所の人間は机の上でしか考えられんアホばっかりじゃ。」
「私は聞いてない。」
といった切なくなることも言われたことがあります。
「子どもたちも親も、この園や先生が大好きだったけど、これからのことを考えたらいいこども園を作ってほしい。」
「こども園になって子どもが毎日楽しそうに登園しています。がんばってくれた職員さんがいてくれたからこそ。」
「あなたたちがそこまで本気ならやりましょう。」
「作るからにはええのを作ってもらうからな!」
といった泣きたくなるような嬉しい言葉や、励ましの言葉ももらったことがあります。
本当にいろんな人がいて、同じ岡山市といってもいろんな地域があって、関係性や雰囲気もいろいろ。
苦情を受けてお宅に訪問したことも何度もあって、現場でお話聞いて。
まじで勉強になります。
情報の非対称性、と言うけれど、本当に市民・住民と市役所の持ってる情報は違いますね。
使う言葉も含めて気をつけないといけません。
最近の、といってもここ10〜20年ですが、地域は、世代間の交流が途切れているところが多いと感じます。
挨拶程度はするけれど、何かをがっつり議論することは無い、特にここ数年はコロナもあって集まってすらない。
なので、こども園のトピックを話すために集まっても議論慣れしてなくて話が滑ったりまとまらないことが多いです。
だんだんまとまってくるところもあれば、議論が中断してしまう先もあります。
すげーなと思った地域の話。
その地域では、そもそも園への道が軽トラ1台ぎりぎりかなという幅しかなく、「こども園整備は無理ですね、送迎するための道がないので。」とこども園推進課側がお断りしてました。
すると地元連合町内会長を中心に、その道のへりの田んぼの持ち主と交渉してそれぞれが一部を市に寄付。
寄付された田んぼを市(道路の部署)が道路として整備するよう要望書を提出。
市が整備して、こども園推進課に来られ
「ほれ道はできたからこども園整備をしてくれ。」
と言われ、諸々調整の上でこども園を作ることになりました。
この地域、地元の役のある人たちと保護者と市議会議員さんみんな仲良くて。
一枚岩で来るし手続き踏んで来られるので、こちらも言うこと聞かない理由がなくなるんですよね。
参った。(^^)
ただそうした地域はまれで、それぞれの主張がバラバラだったり、要望内容が極端だったりして、やってあげられるならやりたいけど「ここだけ特別」って市として対応難しいから、できるのはここまで、になっちゃいます。
そのあたりは、地域のみなさんの日頃の関係性なんだろうと思います。
どっちもそれぞれいい部分と悪い部分はあるでしょう、まちなかか郊外か、人口規模どれくらいかでも関係性の作り方は全然変わってきますしね。
地域いろいろ、日々是発見です。