ていねいに暮らしたい
毎朝コーヒー豆を挽くとか、季節の変わり目に手紙をしたためるとか、家の中に花を絶やさないとか。「ていねいに暮らす」と聞くと、なんとなくそんなイメージが沸いてくる。もちろんそれらはとても素敵できれいな暮らしだ。と思う一方で、わたしの中の「ていねい」の定義とは、どうしても相容れない。
たとえば、どこか遠くへ旅行したとき。その土地にしかないおいしいものを食べるのが、旅行の“正解”かもしれないけれど、「今日はビッグマックの気分だなー」の感情に従ってマクドナルドに行くほうが、わたしは「ていねい」だと思う。
それから、たとえば、ゆっくりお風呂に浸かってシルクのパジャマを着て22時にベッドに入るほうが健康的かもしれないけれど、「この仕事をどうしても今のテンションで最後まで仕上げたい」という心の声に従って、メイクも落とさないで明け方まで頑張るほうが「ていねい」に感じる。
夜、お気に入りの茶器でゆっくり紅茶を淹れるよりも、「この気温なら公園でビールだな」という思いつきに流されて、すぐ友達を誘って外で缶ビールを飲むほうが「ていねい」だと思う。
つまりは、「その日・その瞬間に何をすれば一番世界が輝くのか」の自分なりの解をちゃんと持っておきたい。自分が気持ちいいこと。隣にいる人が楽しいこと。それが何なのかを、ここぞという瞬間にちゃんとキャッチできるのが「ていねいに暮らす」ということだ、とわたしは思う。
コーヒーミルは持っていないし、筆不精だし、花はすぐに枯らしてしまうけれど。わたしはわたしなりの「ていねい」を生きたい。と思う今日この頃です。
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