気がつくと変わっているのだ
休日にちょっと出かけようと歩いていたところ、いつもの見慣れた路地の一角が工事が入って更地になっていることに気づく。
月に何度かは通る場所だったので外っ面の雰囲気は何となく覚えているのだけど何の会社だったかは思い出せない。ああそうそう、こんな会社だっけ。グーグルマップは便利だな。ところでこの会社は建て替えあるいは移転でもするのかな、なんてなんとなく社名でググってみると破産申請の記事がヒットする。コロナで打撃を受けてしまいなんとか立て直しをはかるも回復ならず資金繰りが…みたいな感じらしい。数十年続いてきた会社らしいので残念なことだろうと推察する。
いつも見た風景がなんとなく変わったと気づいたとき、人はようやくそこに何があったのかやっと気にするものなんでしょう。思えばかつて私のやってた店舗(別の場所で10年近く)を閉めるとき「あれ?閉店するの?ここいつも通ってるのにはじめて知ったよー」なんて言われてびっくりした(というか笑ってしまった)ことがあった。長く続いた会社に対しても「ここ何だっけ」って思ってしまうんだから私も人のことは言えまい。直接的に利用するお店や会社じゃなければまあそんなものかもしれない。
いまの店になって4年が経つ。そんなに長くやらず早いうちにひっそり辞めてしまうのも良いのかなと思うこともある。「あれ?ここもとは何の店だったっけ」「ずっとこの道を通ってるのにそんな店知らなかった(笑)」みたいにイメージが残らないのが理想だ。あるいは「あーなんか古本屋?だっけ、入ったこと無いし知らんけど(笑)」みたいに言われるくらいでいいのかもしれないよなあ。早く辞めたい、辞めようかなぁ。辞められたらいいなぁ。
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