立つ鳥は、”跡を濁さず”で
最近、お引越し、しました。
そして、引越しといえば、もれなくついてくるのが荷造り。
毎月のように出張し、年に2〜3回は海外移動し、いつもパッキングしている私ですが、実はパッキングとか荷造りとか、その後の荷ほどきとか、すごく苦手で、とても時間がかかっちゃうのです。
もし、日本での引越しだったなら、多少お金がかかっても梱包も業者さんにお願いしたことでしょう。私の梱包はとにかく時間がかかる。今回も、引越し前5日間は、毎日、梱包で終わりました。
でもね、ネパール人の引越しには驚かされます。ドライバー付き軽トラをチャーターし、とにかく、軽トラの荷台にパズルのように詰めるだけ詰め込むのがネパール流。
布団もくるくると丸めて、無造作にぽん。食器とかどうしているのか、段ボール箱にパッキングしてる様子はないのです。ガンガン運び出して、ガシガシ詰め込む、そのスピード感は感心するくらいすごい。とはいえ、そのやり方では、私の持ち物、かなり壊れてしまいそう。
近場ならともかく、今回は200キロの移動ですしね。
しかもですね、軽トラのうんちゃんやアシスタントは、荷物を荷台には詰め込んでくれますが、部屋からトラックまでは自分で運ばねばならないのです。
ベッドにタンスに冷蔵庫…。
女一人じゃ引越しは無理じゃ〜!
というわけで、いつも仕事をお願いしているカーゴ屋さんに泣きついた私。引越し屋さんじゃないのに、私の無茶振りを聞いてくれて本当にありがとう! さすがカーゴ屋、段ボール箱や、緩衝材も持ってきてくれて、重い荷物は全部運んでくれました。
そして、引越し当日、お手伝いに来てくれた友人のヨシエさん、クリシュナさん、ミホコさん、荷物をもって何往復も階段上り下りしてくれて、本当にありがとう!
私がネパールでなんとか暮らしていけるのも、こうやって助けてくれる人がいるからなんだよな〜としみじみしちゃいます。
さらに、お掃除担当として引越し前の3日間、窓ガラスやお風呂場のタイルなど、隅々までお掃除を手伝ってくれたラダに感謝。
普段は、適当チャチャっとホウキで掃き掃除するくらいの私ですが、大家さんが掃除する必要ないくらいきれいに掃除して出ていくぞ!と、むかし家政婦さんの仕事をしていたラダを助っ人をお願いしました。
ガガーっと荷物を運び出し、わちゃわちゃのまま去っていくネパール人も結構多いのですが、ここは、日本人の美学を知らしめる良い機会かと。
普段はあまり家事してないくせに、最後くらいは、『やはり日本人だね、家をきれいに使うね』と言われたい。
立つ鳥跡を濁さず、というではないですか。
そして、終わりよければ全てよし!
ありがとうポカラ! ありがとう、ポカラでお世話になった人々!
そして、どうぞよろしく、カトマンズ!
【text by Chikako from Nepal 】
宮本ちか子 瀬戸内海の島で海に囲まれて育つも、なぜか海のないヒマラヤの国ネパール在住。夫も仕事も家財道具も全て捨て、ネパールに移住したのは30歳のとき。ポカラで15年ホテルを経営するが諸々あって、泣く泣くホテルを売却。現在はフリーランスライター、タマラエネルギーワーク、仕入コーディネイト等々。バツイチで結婚は2回、娘が1人、ネパール人配偶者はアーユルヴェーダの治療師。「刺身が食いたい」とつぶやく回数が最近さらに増えてきたアラフィフである。