つながり
腕時計をしなくなって随分たちます。ハワイに来てからはほとんどしなくなりました。すぐ汗ばむし、学校の教室には掛け時計もあるしスマホですぐ確認できるし。
最近、腕時計をした方が便利だと思う場面が結構あったので、久しぶりに腕時計をしようと思ったら案の定、止まっていました。そういえばこの時計は自分で開けられないから時計屋さんに持っていって電池交換してもらったんだった。いったい前回はいつだったんだか思い出せないくらい前です。歴史のありそうな昔ながらの時計屋さん。おじいちゃんが広島からの移民だという日系人のオーナー。
「コナに住んでるの?」
「はい。」
「名字は何?」
「もともとは日本からなんです。」
「どうしてハワイに来たの?」
「前の旦那さんがコナ出身だったので。」
「前の旦那さんの名前は?」
「〇〇です。」
「あ〜、よく知ってるよ。彼の両親も。」
来た来た。昔ながらの挨拶。そう言えば前もここでこんなやりとりをしたような気がする。名字を聞いて自分と繋がりがあるかどうか確認。みんながみんなを知っていた時代。
たとえ、はとこのお嫁さんの兄妹を知っている、でも繋がりは繋がり、初対面でもグッと親近感が湧きます。
ハワイ語のクラスでも似たようなことを学びました。初対面の相手には自分のルーツ、家系図を辿って自己紹介をするそうです。「私は〇〇に住んでいた誰それのひ孫、〇〇に住んでいた誰それの孫、〇〇に住んでいた誰それの娘です。」みたいに。そうやってお互いの繋がりを確認しあっていたようです。
そういえば、生徒とも同じことが言えます。兄妹やいとこを知ってたり、前に教えたことがあると、「ほんと〜!?〇〇知ってるの〜!?〇〇、先生の生徒だったの〜!?」と、安心した表情、笑顔になります。そしてその生徒とは信頼関係を築きやすくなります。
「前にも来たことあるよね?」
オーナー、なんと素晴らしい記憶力!前の旦那さんの名前で思い出したのかな。
オーナーが知っているんじゃないかと思う人の名前を出してみたら、やっぱりいろいろ話が弾みました。そして最後に「いつかおじいさんがやってきた広島を見てみたいんだよ。」と話してくれました。近いうちに実現できるといいな。
時計屋さんにあった日めくりカレンダー。写真撮らせてもらいました。
毎日丁寧に。
【text&photo by Mina from Hawaii Big Island 】
成田水奈 愛知県出身。27歳の時に米国アイオワ州に留学。小学校教員免許を取得後公立小学校で教える。結婚を機に全く興味のなかったハワイ島コナに移住。しかしコナでフラダンスと出会いフラを通してハワイの歴史や文化、自然との関わり方や生き方を学びながら、日系人協会に所属し日系人移民の歴史、功績も学ぶ。離婚後もハワイ島が気に入り引き続き公立中学校で日本語とEL (English Learners)クラスを教える。通訳をきっかけにタマラエネルギーと出会う。自分らしく生きるサポートエネルギーを広めるためアクティベーターとなる。