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「白足袋」あなたはどう訳す?

こんにちは きもの文化研究生のエイミーです。

今日は天気がよく、涼しい風も吹いていて、とても気持ちのいい埼玉です。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。

みなさんはどう訳しますか?

タイトルにも書きましたが、
「白足袋」(・・足袋と言えば、お着物を着るときに履くものですね)
皆さんだったらどう訳しますか?

White socks? Traditional Japanese white socks?Sprit-toe socks? もしくは Socks for Kimono などと、訳すでしょうか。

新聞を読んでいたら・・・

先日新聞のとある記事が目に入ってきました。
とても面白い内容だったので、シェアさせてください。

新聞の内容を簡単にお伝えすると、

日本文学研究者のドナルド・キーンさんが英訳した太宰治の小説「斜陽」英語版について言及していて、

その中で「斜陽」の原文には「白足袋」と書いてあったものを、ドナルド・キーンさんは「白手袋」に置き換えたそうです。

では、なぜそんな風に訳したかというと、

原文では「村医者が、敗戦後の没落貴族である夫人を往診する際、礼を尽くそうと白足袋を履いた。」とあるものの、

それを英語圏の読者に伝えようとしたら、「White Socks」では伝わらない。だからドナルド・キーンさんは西洋式の正装である「白手袋」に変えた・・

ということが書かれていました。

語学力より大事なこと

つまり語学力(白足袋をWhite Socksに変える力)があっても、
文化や歴史・背景などの教養(白足袋がどんな意味を表すのか認識し、それに英語圏で値するものは白手袋だろうと判断する力)がないと、
伝わるものも伝わらなくなってしまう、ということで、

新聞に書かれたドナルド・キーンさんの記事は、「伝わる」ための工程を分かりやすく書いてくれた一例でもあります。

もちろん今回の場合は、小説「斜陽」の文脈があるので、そこで白足袋がどんな意味を表すのかある程度分かるとは思うのですが、

それでも語学力があるだけでは何かを「伝える」ことは出来るけど、その何かが「伝わる」ためには教養が必要だということが伝わりますでしょうか。

結びに

ところで、かつて白足袋は武士や公家、学識のある僧侶など、一部の限られた人しか履くことを許されていなかったそうです。

白足袋だけでも色んな歴史があって面白いですね。

今度足袋を履くときは、庶民でも履けるようになった恩恵を、ありがたーく噛みしめようと思います。笑

よかったらみなさんも、身の周りのものを手にとって、伝えるではなく「伝わる」ために、どう訳すのか、考えてみてくださいね




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