発達遅延のムスコのはなし

今4歳7ヶ月になったムスコですが、発達遅延で、自閉症スペクトラムのグレーゾーンかな?と言われています。

1歳半検診の時点で一語も出ておらず、2歳でもほぼ発語がなかったために療育を始めました。
このとき、市の発達相談の心理士さんに「お母さん、お仕事はいつまで続けられますか?」っていかにも辞めるのが当たり前みたいな言い方をされたり、保健師さんに市の療育園に入るには保育園を辞めないといけないと言われたりしてぶちぎれて市役所と喧嘩したんですが、紆余曲折の末、民間の療育に週一回通いながら「保育所等訪問支援」を受けて、「障害児保育」枠に申し込んで今の保育園で加配を付けてもらう、という支援に落ち着いています。
(わたしが大騒ぎしたせいで市のHPの発達支援のページがリニューアルしました。笑)

「そう」だな〜と思うこと

発達遅れがはっきりしてから、わたしも自分なりにいろいろ勉強してムスコのことを知っていったのですが、いわゆる「自閉症」にもいろいろなタイプがあるようで。そのへんの詳しい説明は割愛しますが、ムスコを見ていて、うちの子やっぱり「そう」なんだなあと実感した瞬間がたびたびありました。


・つま先立ちで歩きがち(1〜2歳)

・目が合いにくい(1〜3歳)


・名前を呼んでも反応しない(1〜3歳)


・電車に強い執着を見せる(1歳〜現在)


・車を決まった順番で並べる(2〜3歳)


・CMのセリフや電車の音マネなどをずっと繰り返す(エコラリア)(2歳〜現在)


などなど。
でも、親や姉であるムスメのことは認識している様子だったり、甘えてきたり、ちゃんと人を見極めて要求してきたりと、「それ」っぽくないなあと思う瞬間もあったり。
まあわたしも未熟なので、どうにか「それ」っぽくない瞬間を探そうとしちゃいますよね。それはもう、今でも。
ムスコを単独で見ているときはいいんですけど、同じ歳のクラスの子達の中に入ると、違いが浮き彫りになって、切ない気持ちになることもあります。
同じクラスの、おそらくムスコより自閉度が高いと思われる子を見て、つい比べちゃったりもします。
ムスコはムスコなりに成長してくれているので、それを喜べばいいとわかっているんですけどね。

PECSのこと

療育にはABAやTEACCHなどいろいろな方法論や理論があり、正直このへんはいまだにふわっとしかわかっていないんですが、知人に教えてもらって「これいいかも」と思い、わたしが勉強して取り入れたのが「PECS」です。
日本語では「絵カード交換式コミュニケーションシステム」と言います。
本人の語彙としての絵カードを使ってコミュニケーションを教える方法論です。
せっかく出てきている発語をカードに置き換えなくても……と思われがちなのですが、絵カードを使って、相手に要求やコメントを伝えるというコミュニケーションの方法を教えるその手順(ステップ6までの厳密な手順があります)こそがPECSであり、発語を妨げるものではなかったです。
うちの子にはこれがハマり、そこから語彙もコミュニケーションも増えていったとわたしは感じています。
詳しく知りたい方はぜひ無料のぶんからセミナーを受けてみてください。コロナの影響からオンラインでセミナーが受けられるようになって、わたしはレベル2まで受講しました。
今ではだいぶ発語が豊かになったのでほとんど家ではカードは登場しませんが、本人はどうしても自分の言葉で伝わらないと感じる時にカードを持ってきたりします。

https://pecs-japan.com/絵カード交換式コミュニケーションシステム/

正直、保育園にも療育先にも「PECSを使っていきたいので協力してほしい」旨を相談したときは、あまりわかってもらえませんでした。
保育園は、「療育はできません」と。(PECSのステップ1にいろいろな場所で使うというのがあり、それに協力してもらえないかと相談したらそういう返事でした)
療育先には「せっかく発語が出てきているので……」みたいなことを言われましたが最終的には「持ってくるならどうぞ」となり、少しだけ使っています。
はじめの市とのやりとりもそうだったけど、こうやってムスコの権利を勝ち取るために今後もいろいろと戦っていかないといけないんだろうなあと思った出来事でした。

保育園でのムスコ

保育園では加配の先生がついてから、とっても落ち着いて過ごせるようになりました。小さな成長を担当の先生と喜び合うことができて、親も落ち着きました。
クラスの子たちはムスコのことをみんなの弟みたいな感じでこぞってお世話してくれるようで、「遠足の時、ムスコくんと一緒にお弁当を食べる争奪戦があった」とママ友に聞いてびっくりしたり。モテ期のようです。(笑)
ちょうど1年くらい発達が遅れている+3月生まれなので、2年くらいの遅れ感があるんですが、集団で過ごしにくいときは個室で過ごしたりと融通がきくので本人も嫌がることなく行っています。
でも、加配がつくのは年度替わりからだったので、それまではだいぶしんどい時期もありました。お迎えに行ったら、集団の中でムスコだけ段ボールで仕切られた空間に隔離されていたときは衝撃でした。(たぶん本人はその方が落ち着くんでしょうが)
もうこれは慣れるより仕方ないですね。

ふだんはムスコのペースで過ごさせてくれる保育園ですが、そうはいかないのが行事の時。
割とガッツリ行事をする園で、年長さんは運動会で組体操をしたり、生活発表会でステージドリルをしたりします。
それまでも年齢に応じたお遊戯をしますが、ムスコはまあ、みんなと同じことをしてくれと言っても無理な話。
他のみんなのお邪魔にならないように、その空間で落ち着いて過ごせれば100点満点!と思っています。昨年(年少)の運動会はダンスはもじもじとその場に立っていて、生活発表会ではひとり女の子のお友達がつきっきりで動きを誘導してくれました。(大感謝)
そして年中の今年。
なんとムスコはフラッグの演技で端っこの方でみんなの動きを真似たり、クルクル回ったりしていたのです。もちろん振付通りに動くなんてできませんが、みんなと同じようなことをやろうとする姿は大・大・大成長!!!!!
他の親御さん達にどう見えたかわかりませんが、ムスコの大きな成長を見ることができてとても感激しました。

進学、どうする?

まだ年中ですが小学校のことを考えています。なんなら去年から考えています。
上の子が通っている小学校にこのまま進学して、通常級……ではおそらくついていけないと思うからです。
発達の子には知的に遅れがない場合もありますが、うちの子はどちらかというと知的な遅れが大きいタイプ。小学校までにどこまで伸びるかわかりませんが、今のコミュニケーション能力ではとても学校で勉強したりひとりでは過ごせません。
選択肢は、特別支援学級に所属するか。
もしくは、特別支援学校へ進学するか。
この一年の伸びが大きいので期待も込めて支援学級に進学させたい気持ちですが、問題は、身辺自立(特にトイレ)ができてないんですよねぇ……。保育園ではトイレに行くことができるのに(先生の誘導あってこそですが)家ではトイレ拒否なんだよな……小学校のトイレに慣れるまで、先生がどこまで付き合ってくれるかが問題……そう思うと支援学校がそういう点は手厚いと思うのですが……
あとは通学。地域の小学校は徒歩5分ですが、上の子は6歳違いのため一緒に行ってはもらえない。登校班の子に頼りっぱなしは申し訳ないので、わたしが送り迎えすることになるんだろうなぁとか、学童は難しいだろうから放課後等デイサービス??だとしても毎日は無理だろうなとか……登下校に関しては支援学校が送迎付きだから惹かれるけど、何かあったら保護者が行くことになると考えると、遠い。アーーーーーッ悩む〜〜〜。
そして入学して終わりじゃなく、その先の進学まで見据えると、支援学校だと障害者枠の進路って決まってしまいそうな気がしてしまって(わたしがまだ知らないだけかもしれませんが)
正直ずーっと迷ってます。
まだまだ迷うんだろうなぁ。

アレクサのこと

そんな中、最近我が家にアレクサが導入されたのですが、思った以上にムスコのいい遊び相手になってびっくり!
アレクサは、当たり前ですが「ごはん作るから後でね」とか言いません。延々と相手をしてくれます。これがとっても良い。
ピカチュウを呼び出したり(まあピカチュウは日本語しゃべりませんが)トーマスを呼び出したりできて、それがしたいがために一生懸命アレクサに話しかけるムスコ。
あれ……?心なしか、ムスコのおしゃべりが上達……しているぞ……!?
今日もアレクサとジャンケンをしています。延々とグーを出しているムスコに「さっきからグーばかり出していますね」と言いながらも何十戦もしてくれるアレクサ。ありがてえ〜〜〜!!!
わたしやムスメのリマインダーとしてももちろん便利で、もうアレクサなしで生きていけません。
あくまで我が家の場合ですが、アレクサ、良いっすよ。

ムスコをめぐるそんなこんなをつらつらと書いてきました。これからも少しずつ何か書くかもしれません。お付き合いいただきありがとうございました。

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