自死遺族の為の受容過程
「死ぬ瞬間」の著者であるキューブラーロスが喪失の5段階(悲嘆プロセス)として提唱した
否認と孤立、怒り、取引、抑うつ、受容という5つのステップ
これは、仕事、収入、自由、排除、離婚、依存症、引越し、不妊、災害などさまざまな喪失体験に応用されケアのツールとなっている
自死遺族にとっての悲嘆プロセスはどうだろう?
否認と孤立
「死の運命を否定し周囲の人と距離を置く」
通常病死では生前の予期悲嘆※によって否認は亡くなった事実に対し一時的に心を守るための比較的短時間の先延ばしに留まる
私の場合は亡くなった事実、自殺という事実だけではなく、かなり長い間、母が生きていたことさえ無かったことにしていた
同じように死を受け入れられない親戚からの責め、母に見捨てられたような感覚、働かなければ生活が立ち行かなくなる現実問題、言ってはいけないような社会観、恥、などがありシンプルに悲しみに暮れることも出来なかった背景がある
特に「自分も母の年になったら自殺するんやろ、どうせ?」という諦めは実際に母の年になるまで
約30年余りも その 死を認められない
という長い長い私の苦しみの大きな要因となった
この私の否認は結果的に孤立を招き、一時的な防御反応ではなく複雑性悲嘆へと発展し
「母の年になったら何かが変わるかもしれない」という現実逃避に姿を変えた
私が後先考えず40歳の子連れで看護学校に入学したり、母子家庭で頼る人もいないのに子どもを私立中学に通わせ経済的苦労を背負い込んだりしたのは、現実逃避による極度の楽観視、あるいは価値ある自暴自棄といえる
今考えたらよくあんな事をしたなと身震いする
※予期悲嘆 予期されている死に対する思考、感情、反応
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